日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/11/27
【埼玉】県建設業協会、熊谷工業高校の生徒らを対象に国道140号大滝トンネルの現場見学会を開催
埼玉県建設業協会(埼建協、小川貢三郎会長)は21日、秩父市内で施工中の国道140号大滝トンネルで、熊谷工業高校の生徒を対象に建設系高校生建設現場見学会を開催した。参加した土木科1年生の32人は、発注者や施工業者の説明を聞きながら実際にトンネル内で現場を見学。建設業の最新技術に感心するなど建設業の魅力に触れた。
大滝トンネルの規模はL2053m、W10mで、秩父市荒川白久と秩父市大滝の国道140号の現道7qを約2qのトンネルでショートカットする形で結ぶ。施工は大林組・西武建設・斎藤組JVで、2021年10月15日から着工した。将来は西関東連絡道路の一部となる。
生徒は最初に、贄川の現場事務所に併設されたインフォメーションセンターで説明を受けた。主催者である埼建協から北村学業務部長が「短い時間だが積極的に見て学んでほしい」と呼び掛けた後、「建設業界の仕事は後世に残るやりがいのある仕事だと思っている。建設業では今、若い人にこの業界に入ってきていただけるように国、県、建設業界が一丸となって、時間外労働を減らしたり休みがきちんととれるなど、働きやすい環境整備にがんばっている。皆さんが高校や大学を卒業する頃、今より働きやすい環境になっていると思うので、建設業に興味を持っていただき、職業選択の一つとしてほしい」と期待した。続いて、発注者の県西関東連絡道路建設事務所の中山洋建設担当部長や、施工JVの古家義信所長らから、トンネルの概要や工事の進捗状況が説明された。
その後に現場に移動。工事はNATM工法で荒川白久側から掘削。TSP303とトンネルナビによる前方地山探査が行われ、断層や破砕帯等の位置を高い精度で予測するなど、最新技術により効果的かつ安全な施工に取り組んでいる。昨年5月から本格的に掘削に入り、これまでに1957mを掘削、残りは100mを切るなど順調に進み、早ければ来年3月から4月の貫通を見込んでいる。現場は、2班(1班6人)体制で24時間掘削が行われ、覆工も6人体制で並行して進められている。1日に6回発破を行い、1回あたり1m進むことから、1日で6m開削が進んでいることなどが生徒に説明された。
同トンネルの見学者数は、昨年が1000人、今年もこれまでに600人が見学している。