日本工業経済新聞社(群馬)
2023/11/21
【群馬】太田市外三町広域清掃組合は斎場整備に着手
太田市外三町広域清掃組合は1市3町による新たな斎場整備に向けて、2024年度からの着工を目指して準備を進めている。基本設計および実施設計を山下設計(東京都中央区)が手掛けており、年度末までに完了させる。整備に向けては22年度当初予算で5カ年継続費で43億1585万円を設定しているが、建設費は約50億円に変更となったため、3月議会に継続費の変更を見込んでいる。
新斎場の建設地は大泉町外二町斎場およびその隣接地の大泉町上小泉万願寺347−1ほか。現在の太田市斎場の炉数不足が指摘されているほか、今後の火葬需要に対応するために計画。また、大泉町外二町斎場が老朽化しているために建て替えを実施する。
発注元となる組合は太田市と千代田町、大泉町、邑楽町で構成。21年10月1日に太田市と千代田町、大泉町、邑楽町の1市3町が(仮称)太田市外三町広域斎場整備運営事業の基本的事項に関する協議書について締結。太田市外三町広域清掃組合により実施することなどを定めている。
新斎場は1市3町での共同運営を想定しており、火葬炉は9炉と小動物炉を1炉。構造は2階建て、RC造一部W造とする。延べ床面積は5970u。建物の基礎形式は杭式となる。空調については空冷ヒートポンプパッケージ方式で、換気設備は外調機、全熱交換器、給排気ファンとし、排煙設備は自然排煙方式となっている。
外装コンセプトでは、告別式場の直上に待合室を重ねたメゾネット空間とし、待合室と告別式場は吹き抜けでつなぐことや、火葬炉の周りを回遊式の廊下とすることで、周りの風景がどの視点からも見ることができる、裏の無い火葬場とする。
想定スケジュールで工事は24年上半期中から26年2月をめどに予定する。隣接地関連施設解体工事を25年度に着手し、建設工事は火葬炉設備工事を含め、25年度内に完成。26年度に外構工事などを行い、同事業は完了する。並行して既存施設の解体工事は、25年度から着手を予定する。基本計画策定については、火葬研(東京都千代田区)が担当した。
なお、1981年に建てられた太田市斎場はRC造(一部S造)2階建て一部3階建て、延べ床面積3069・17u。火葬炉(6基)や式場、事務室などがある本館のほか、待合室(3室)や集会室(2室)、売店、安置室などの待合室・集会棟で構成される。駐車場の台数は174台で第1が58台、第2は48台、第3が68台の内訳。
建物建設費に関する概算事業費は基本設計業務の中で約50億円とし、火葬炉などの設備工事費も含む。いずれも事業費はおよその金額となる。現段階での継続費の内訳は◇22年度=7800万円◇23年度=7億8433万円◇24年度=11億5775万円◇25年度=20億2539万円◇26年度=2億7038万円−としていた。
事業手法はDBO方式やPFI方式などの一括発注方式は行わず、従来の分離発注方式で行う。火葬炉工事や基本設計、実施設計、建設工事はそれぞれ別々に選定。発注者の意向へ柔軟に対応する他、工事は分離発注により、地元企業も参加できることが狙いとなっている。