高知市は、公共施設マネジメントの現状の取り組みについて行財政改革調査特別委員会で報告した。総量の最適化に向けた公共施設再配置計画を修正し、2027年度までに30施設、延べ床面積3万1704平方bの廃止を見込んでいることや、ネーミングライツを導入し24年6月ごろから募集を行う考えなどを示した。
市が保有する公共建築物のうち、建設年度が判明している建物の延べ床面積は123万5717平方bで、約5割の65万2098平方bの建物が築30年以上経過している。そのため施設の改修、建て替えなど老朽化対策の費用確保が課題となっており、今後も公共施設サービスを提供していくためには55年度までに延べ床総面積の32%を削減する必要があると推定している。
公共施設再配置計画は、市が取り組んでいる公共施設マネジメントのうち、総量の最適化を推進する実施計画。10年間を1期とし、計4期に分けて策定するもので、第1期計画では、27年度までに耐用年数を迎える134施設を対象に維持、更新、機能移転、廃止、検討中の5段階で実施方針をまとめた。
17年度の策定時には検討中としていた41施設の実施方針種別を反映し、維持が59施設、更新が32施設、廃止が15施設、機能移転が11施設、廃止が30施設とした他、対象施設として適切でないと判断した倉庫2施設を計画から削除した。
23年10月末時点の廃止済み施設は7施設、延べ床面積1698平方bで、これを含めた30施設の廃止を見込んでおり、第1期計画対象面積のうち52・4%を削減する。
また、公共施設の維持管理などに活用できる財源確保に向けてネーミングライツを導入する。他市の事例を参考にしながら施設特定型、提案型の2形式で実践。12月中に選定委員会を設置し、24年2月〜3月に対象施設ごとに募集要項を作成し、同6〜7月の期間で募集、同10月からの契約開始を目指す。契約期間は原則3年以上とする予定。
提供:建通新聞社