仙北地域振興局農村整備課は、6年度にほ場整備で大瀬蔵野と戸地谷北部地区、かんがい排水で若松堰地区、農地防災(ため池)で金沢9と内小友明通地区の事業採択を目指し、それぞれ調査計画を進めている。6年度に実施設計を委託する方針。このうち、ほ場整備とかんがい排水は、新規箇所として今年9月の秋田県公共事業評価専門委員会に諮問。全体事業費は大瀬蔵野が16億1,200万円、戸地谷北部が12億800万円、若松堰が4億7,600万円としている。
ほ場整備のうち、大瀬蔵野地区(仙北市角館町下延)は水はけが悪く農道も狭小なことから、50.7haを対象に大区画化などの基盤整備を進め、農地の汎用化を目指すもの。用排水路の大部分が土水路となっており、維持管理も厳しくなっている。6年度の事業費は1億4,900万円を見込み、実施設計や境界測量を進める予定。
戸地谷北部地区(大仙市戸地谷)は、現在のほ場が10aと小区画で、大瀬蔵野地区と同様、用排水路の大部分が土水路のため水はけが悪く、複合経営や効率的な営農が難しい状況となっている。47.7haを対象に区画整理や暗渠排水、地下かんがいシステムなどを整備する方針。6年度は実施設計と境界測量を委託、事業費は9,100万円の予定。大瀬蔵野、戸地谷北部地区ともに、調査計画は秋田県土地改良事業団体連合会が担当。いずれも7年度から区画整理に着工し、11年度の事業完了を目指す。
若松堰地区(仙北市田沢湖卒田)のかんがい排水事業は、既設用排水路1,964.2mを大型フリューム(B1〜1.6m、H0.8m)に改修するもの。用排水路は若松堰頭首工から雄物川水系の一級河川玉川に沿いにあり、延宝1〜2年にかけて造成された。
土水路と石積み水路が多いため、土砂が堆積し農業用水の安定供給に支障があるほか、近年の豪雨による湛水被害の増加が課題となっている。全体事業費4億7,000万円のうち、3億9,000万円を工事費に充てる方針で、7年度に仮設工を実施し、8年度から水路工を進めていく。事業期間は11年度まで。
農地防災の金沢9地区(美郷町金沢)では、5カ所のため池(大沼ため池、バッコ潟、助堤ため池、宿ヶ沢ため池、桑ノ木谷地ため池)を整備対象に、調査計画を興和技術コンサルタントで進めている。大沼ため池を除き、ため池の所在地は横手市だが、用水受益地は美郷町の金沢地区405.1haとなっている。
内小友明通地区(大仙市内小友)では、第一・第二明通ため池、第一・第二進藤ため池、第一・第二鴨の沢ため池の計6カ所が整備の対象。調査計画、地質調査をウヌマ地域総研に委託している。両地区とも3月15日までに計画をまとめ、それぞれ6年度に実施設計を委託する予定。
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秋田建設工業新聞社