JR松山駅東側の中心市街地を含むエリア「松山駅東地域(仮称)」の都市再生緊急整備地域指定に向けた松山市の準備協議会の第2回会合が11月13日、市役所で開かれた。政令指定すべきエリア(素案)の設定について市は、松山駅周辺や伊予鉄道松山市駅周辺、銀天街などの中央商店街、愛媛銀行本店周辺などを囲んだエリアと、県民文化会館周辺と南側県有地を囲んだエリアを合わせた約132fとする案を示し協議した。また都市再生の目標・方針となる地域整備方針の素案についてもたたき台を示し意見を求めた。市は次回会合で両素案の決定を目指す考え。
都市再生緊急整備地域では、都市計画などの特例措置が受けられ、民間事業者が行う都市開発などで一定の要件を満たせば税制優遇や金融支援などを受けられる。産学官金の委員で構成する準備協議会ではエリア(素案)の設定と地域整備方針(素案)の作成、都市再生の質の向上と民間投資の呼び込みに必要な事項の検討などを行っている。
区域(素案)設定の説明で市は、エリア内に松山駅周辺の都市開発事業や公共施設整備、市駅前広場整備、一番町の市街地再開発などの都市開発事業、県民文化会館南側県有地の都市開発事業などを挙げた=表参照。道後温泉本館を中心とする道後温泉周辺地区については早期に実現が見込まれる都市開発事業などが現時点でないため対象外とした。
地域整備方針(素案)については、▽快適で豊かな都市空間を創出▽歩いて暮らせる魅力的なまちを形成▽災害に強い都市環境を形成▽新たな交通手段の導入など円滑な移動環境を創出―の四つのまちづくりの方向性を整備方針の整備目標に位置付け、増進すべき都市機能や公共施設その他の公益的施設の整備・管理、緊急・重点的な市街地の推進に必要な事項を整理した。その中には将来の新幹線建設やバスタプロジェクト、松山駅や松山市駅前広場の拠点整備による交通結節機能強化などを盛り込んでいる。
委員からは民間の投資や若者を呼び込む具体的なビジョンを求める声やバリアフリーに関する要望があった他、現在の地域名称「(仮称)松山駅東・南町周辺地域」だと具体的な地域のイメージが伝わらないとして、変更を促す声もあった。
次回会合は2024年2月中旬を予定している。
提供:建通新聞社