秋田地域振興局建設部は、太平川の河川改修に関し、今年7月の大雨被害を踏まえ抜本的に実施する対策に必要な地質調査を4件に分け開札、基礎工学、加賀伊ボーリング、秋田ボーリング、伊藤地質調査事務所がそれぞれ落札した。横山金足線沿いの桜大橋付近〜横森市営住宅付近、横森市営住宅付近〜才八橋付近、JR奥羽本線付近〜楢山郵便局付近、楢山郵便局付近〜イオン秋田中央店裏の旭川合流部に分け行われる。
太平川河川改修の現行計画は、旭川合流点〜新竹生橋までの延長7.4km。最近は特に曲折している秋田市楢山太田町の「才八工区」で才八橋の架け替えをメインとする整備を推進。昨年12月25日に才八橋と取付道路の一部が完成・開通し、通行可能となっている。
また、今年5月には数値地形図作成を八州に委託。下流端の旭川合流部〜秋田市太平柳田まで、1.2kuの範囲で数値図化を行い、流下能力を把握する業務も進めている。
今年7月の大雨被害が発生した後、9月議会で佐竹敬久知事が氾濫河川の整備を抜本的に進めると表明し、未改修区間のうち4.6kmを集中的に整備する。
集中整備区間は旭川合流点のイオン秋田中央店近くから楢山地区、横森地区などを経由して横山金足線の桜大橋付近までを対象としている。
今月10日、国や県、市町村が連携して治水対策に取り組む「雄物川圏域流域治水協議会」の下流圏域分科会で示された「雄物川下流圏域水災害対策プロジェクト(案)」では「氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策」として、太平川では集中整備区間の4.6kmのほか、さらに上流側の延長2.8km(桜大橋付近〜新竹生橋付近)でも河道掘削や護岸工が計画されている。
プロジェクト案の目標事業期間は今年度から14年度までの10年間となっているため、太平川では集中的に整備する下流側の進捗状況を見ながら、上流側でも整備着手が目指される。
なお、集中整備区間の下流側はまだ事業化しておらず、県は国の補助事業などについて調整を図っている。このため今回、委託した地質調査は、太平川河川改修の現行計画の枠組みで進められる。
提供:秋田建設工業新聞社