水産庁が事業主体 概算170億 マウンド礁造成へ、新規着手予定 水産庁は2024年度から、五島南方沖において特定漁港漁場整備事業(フロンティア漁場整備事業)を計画しており、これに伴い事前評価書をまとめた。それによると、マウンド礁1基(=図参照)を整備する内容。概算事業費は170億円。これにより、水産資源の生産力を向上させ、水産物の安定供給の確保を図る狙いだ。
新規に事業化されれば、2024年度に事業着手し、33年度までの10年間を事業期間とする予定。マウンド礁1基(高さ約30b、延長約300b)を整備するもので、設置水深は約180bとなる計画だ。
現時点における事業費は170億円。内訳は24年度1億1000万円、25年度と26年度がそれぞれ14億1000万円。以降7年間はそれぞれ20億1000万円と試算された。
費用便益比(B/C)は「1・89」。費用の負担割合は国が4分の3、県が4分の1となる見込みだ。
対馬暖流系群のまあじ・まさば・まいわしの漁獲量は近年減少傾向にある。このため、五島南沖において、栄養塩の豊富な底層水を光の届く表層に供給。海域のプランクトンを増大させる効果や、魚の生息の場としての構造を有するマウンド礁を造成する計画だ。
併せて周辺水域における保護措置を講じることにより、まあじ・まさば・ まいわし資源の増大、国民への水産物の安定供給の確保等を図ることとしている。
県や関係漁業者からの整備への要望は高い。
総合評価において本事業は「我が国にとって重要な水産資源の回復とこれら水産物の安定供給の促進に寄与するものであり、本事業の必要性および有効性、効率性は高いと認められ、早急に事業の実施を図る必要がある」とされた。