建通新聞社
2023/11/17
【大阪】万博協会 秋の国際参加者会議を開催
2025年日本国際博覧会協会は11月14〜15日の2日間にわたって、大阪市内で国際参加者会議(IPM)を開き、万博会場の構想やパビリオンの工事・内外装、運営準備などに関する情報を提供した。15日の閉会後に記者会見を開いた万博協会の石毛博行事務総長と博覧会国際事務局事務局長のディミトリ・ケルケンツェス局長は、「会場準備はオンタイムで進んでいる」との認識を示した。11月下旬から海外事業者にタイプAパビリオンの土地を順次引き渡す。
会議には149の国・地域と6の国際機関、総勢約500人が参加。ケルケンツェス局長は、IPMを通して「非常に直接的な情報を提供してもらい、問題解決にも光が見えた。素晴らしいイベントが25年4月に始まると期待している」と話し、万博協会の取り組みを評価した。
IPMでは、パビリオンのタイプ別に詳細な情報を提供する分科会を開催。タイプAのセッションでは、建設工事中に病人やけが人が出た場合の対応に関する質問や、現状を反映した具体的なスケジュールを提示するよう事業者から要請があった。
また、個別の相談窓口を設け、パビリオンの建設・展示・内装や、建設業許可、建設関連申請、銀行口座開設などの相談に応じた。石毛事務総長は「2日間で70以上の事業者から600件あまりの相談があった。16〜17日にも窓口を引き続き設置し、一つ一つ問題をクリアしていく」と話し、不安を抱える事業者が常に相談できる窓口を今後も設ける方針だ。
現在、パビリオンを出展する参加国のほとんどは自国で建設するタイプAを希望しているが、このうち建設業者と正式に契約を結んだのは24カ国。物価高騰などによる建設費の増大でゼネコンとの契約に苦心している事業者も多く、14日にはメキシコとエストニアが財政的な問題によって万博参加を辞退することが発表された。
万博協会は、各国に代わって発注・建設するタイプXに切り替える事業者の増加に備え、大屋根(リング)やゲート施設などの施工を担当する複数の建設事業者に、25カ国分のタイプX建設工事を随意契約によって先行発注している。