日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/11/10
【埼玉】中川・綾瀬川流域治水協議会緊急流域治水部会 第2回部会を開催
9月に発足した中川・綾瀬川流域治水協議会緊急流域治水部会は、中川・綾瀬川緊急流域治水プロジェクトの中間とりまとめ案を明らかにした。流域周辺の市町による排水ポンプ整備などの排水機能強化や雨水貯留施設整備などの貯留機能強化などの加速を計画。また、国や埼玉県管理河川について河道整備や排水機能強化などを挙げた。近く中間とりまとめを公表し、年度内を目標に「中川・綾瀬川緊急流域治水プロジェクト」を策定する。
中間とりまとめ案は、8日に開催した第2回部会において示したもの。
とりまとめ案では、ハード対策として氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策を想定。排水ポンプ施設の整備、雨水貯留施設整備を含めた内水氾濫対策や、河道整備・堤防整備などの洪水氾濫対策、特定都市河川浸水被害対策法の適用に向けた検討などに取り組むとしている。
また、被害対象を減少させるための対策として多段階な浸水リスク情報の充実、浸水被害防止区域の指定に係る調整を示している。加えて、排水施設の稼働状況を共有するための検討、浸水箇所の早期把握などを見込む。
さらに、新規放水路、排水能力増強、支川合流点処理、新規調節池についても検討するとした。
流域の6市1町(春日部市・草加市・越谷市・八潮市・三郷市・吉川市・松伏町)からは、それぞれの実施中の取り組みや検討中の計画などを示した。
春日部市は、排水ポンプ移設や排水樋管、雨水函渠施設、雨水貯留施設整備を行う方針。
草加市については、排水ポンプ施設や排水路整備、排水樋管フラップゲート化・自動化を目指すとした。
越谷市では、排水ポンプ施設、排水路、雨水貯留施設整備を進める計画。
八潮市は、伊勢野・鳥内・南川崎・幸ノ宮・和耕地区で排水ポンプ施設を、西袋・葛西・幸ノ宮地区においては排水路整備を検討している。
三郷市に関しては、排水ポンプ、排水路、雨水貯留施設施設整備などの検討や国・県との連家による施設運用を図っていく考え。
吉川市においても。排水ポンプ施設、排水路、雨水貯留施設整備を進めていく。
松伏町では、排水ポンプ施設、排水路、雨水貯留施設、土嚢などの水防資機材整備を推進する予定。
中川・流域治水協議会緊急流域治水部会は、6月2日からの梅雨前線及び台風第2号による大雨により、中川・綾瀬川流域に甚大な内水被害が発生したことを踏まえて被害が著しかった6市1町、埼玉県、国土交通省江戸川河川事務所で構成している。