京都スマート電力システム構築協議会は9日、「調エネ」に係るビジネス創出等に向けた本格的な始動にあわせ、キックオフ会議を開いた。
同協議会は、再生可能エネルギー等の発電量の変動について、電気を使う側で調整することにより電気システムの安定を図る「調エネ」電力システム(スマート電力システム)の構築を目指し、これまで大学でシミュレーション等を行う「スマートキャンパス京都モデル構築推進事業」や、経済産業省の「再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」等を実施してきた。
キックオフ会議は、京都市右京区の総本山仁和寺で開催。協議会の取組と目的の報告後、京都大学環境安全保健機構が「大学キャンパスを活用した3E+S拠点構想」、中部電力ミライズ鰍ェ「京都市との再エネアグリゲーション実証」、日新電機鰍ェ「エネルギーソリューションの取り組みと再エネアグリゲーション実証における狙い」について、それぞれ報告した。
主な取組は、@地域での経済・環境価値循環にもつながるスマート電力システムの在り方の検討(令和6・7年度…実現に向けた施策の検討)、A様々なエネルギーリソースを用いた市域での電力の需給調整等の実証(令和5〜7年度…省エネ法改正を踏まえた市内特定事業者と連携した実証の推進、周知啓発の実施、既存設備を活用した実証、蓄電池のマルチユースの経済性実証、EV普及を見据えた調整の検討のほか、国事業の活用の検討)、Bスマート電力システム構築に資するビジネスの検討(令和5〜7年度…員間での知見の共有・実証によるビジネスモデルの検討)など。
協議会の会員は、事業者がエムケイホールディングス梶Aオムロンソーシアルソリューションズ梶A鰍fSユアサ、総本山仁和寺、ダイキン工業梶A中部電力ミライズ梶ATERA Energy梶Aニチコン梶A日新電機梶A鰍aalance Responsible Party、三菱自動車工業梶A竃セ電舎。大学が学校法人瓜生山学園、京都産業大学、学校法人京都女子学園、京都先端科学大学大学、京都大学、学校法人立命館。
なお京都市は、脱炭素先行地域における電力需要家に対し、安定的に再エネ100%電力を供給することなどを目的に、TERA Energy鰍ニ3月に京都広域再エネグリッド構築に関する連携協定を締結した。
市は、国が進める「脱炭素先行地域」への選定を受け、伏見エリアを中心とした文化遺産群・商店街エリア等で脱炭素化に取り組み、その一環で市有地の伏見工業高校跡地及び元南部配水管理課用地において、次世代ZEH+を導入した約1000人規模の脱炭素街区を創出する。
伏見工業高等学校跡地及び元南部配水管理課用地の活用に係る優先交渉事業者については、阪急阪神不動産梶i大阪市北区)を代表事業者とし、京阪電鉄不動産梶i大阪市中央区)と積水ハウス梶i大阪市北区)を構成員とする3社から成るグループを市が10月に選定した。