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建通新聞社
2023/11/08

【大阪】大阪市 新・市政改革で官民連携強化へ 

 大阪市は、「新・市政改革プラン―未来へつなぐ市政改革―」の骨子案をまとめた。2024年3月をめどに策定する予定だ。基本方針として、@DXの推進A官民連携の推進B業務改革の推進C働き方改革Dニア・イズ・ベターの徹底E持続可能な行政基盤の構築―の六つを掲げた。建設に関連する内容では、新築建築物へのZEBの導入、未利用地の売却など有効活用、公立保育所の民営化、環境事業センターの老朽化対策、中央卸売市場などの民間活用の導入・拡大など官民連携の推進に取り組む。取り組み期間は24〜27年度の4年間。
 「業務改革の推進」では、業務の効率化に向け、複数区での業務執行体制構築や役所の業務環境改善などに取り組む。また、市有施設の省エネルギー化、再生可能エネルギーの導入拡大、新築建築物に対してのZEBOriented相当以上の要請などによって環境負荷を低減させる。
 「持続可能な行政基盤の構築」では、今後更新時期を迎える多くの市有施設の中長期的な視点に立ったマネジメント、不要な未利用地の計画的な売却と継続保有する未利用地の有効活用、大規模事業に対する高精度なリスク管理、施策・事業の点検・精査などに取り組む。今後の財政収支概算によると、市の通常収支は30年度以降に不足が生じると見込まれており、急激な社会環境の変化にも対応できるよう備える。

〜官民連携を強化でPFS導入検討〜
 「官民連携の推進」では、公共施設などの整備に多様なPPP/PFI手法を優先的に導入するとともに、ハード・ソフト面で民活促進の課題や対策などをまとめた「民間活用の基本的な考え方」を24年度以降に策定する予定だ。また、老朽化している公立保育所の民営化を進めるため、建て替え移管用地を確保し、30年度末までに公立保育所を35カ所まで減らす。環境事業センターの老朽化対策と中央卸売市場本場・東部市場の管理運営においても民間活用の導入と拡大を検討する。
 この他、新たな民間活用方策として、SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)を含むPFS(PayforSuccess、成果連動型民間委託方式)の導入も検討している。
 PFSとは、行政課題に対応した成果指標を設定し、指標値の改善状況に合わせて支払額を決めるシステム。医療や介護との親和性が高いが、まちづくりやエネルギー分野でも活用が可能だ。市における導入対象分野は、他都市の事例などを参考に今後検討する。
 神奈川県鎌倉市では市庁舎の維持管理の適正化やコスト削減などに向けた施策立案・活動支援業務を2019〜20年に委託している。また、米ワシントンでは、流域水質改善を目的としたグリーンインフラ整備事業にPFSを採用し、16年に着手。将来的に建設分野での活用も見込まれそうだ。