京都市教育委員会は8日、南区吉祥院の塔南高等学校跡地第1グラウンドに給食センターを建設する方針を明らかにした。
市会文教はぐくみ委員会に報告した内容によると、給食センターの整備について、約2万6000食の給食を調理、配送するために必要な用地を確保でき、調理後2時間以内に喫食可能となる位置関係や工業地域としての用途地域等の条件にも合致する同校跡地に整備することで計画を進めるとした。
塔南高校跡地約3万4000uのうち、給食センターは施設の規模や道路状況等を鑑み、第1グラウンド(約1万6000u)に整備する。
第1グラウンド北側部分約1万uは、塔南高校の教育活動に使用してきたが、公園(東吉祥院公園)にあたることから、説明会の開催等、公園廃止に向けた手続きを進める。なお公園廃止にあたっては、塔南高校跡地をはじめ、市内で代替公園の確保を計画する。
全員制中学校給食を巡っては、国が子育て支援、少子化対策の取組推進を示したことなどを踏まえ、市教委が実施を計画。
令和5年度当初予算に調査費2000万円を盛り込み、調査は公募型プロポーザルで長大大阪支社(大阪市西区)を選定した。
また学識経験者や保護者代表、学校代表らで構成する検討会議を設置。6月から検討を開始し、長大に委託した調査結果等も踏まえ、給食センター方式が最も望ましいと評価した。
建設候補地については、9月市会の決算特別委員会(総括質疑)で門川大作市長は「給食センターは教育関係施設になるが、工業系の用途地域でないと(建設)できない。塔南高校跡地は有力な候補地である」と述べていた。
給食センター方式のイニシャルコストは設計・工事監理費25億8680万円、工事費(調理設備・配膳室等含む)134億5771万9000円、開業準備費2億0800万円の計162億5251万9000円で、ランニングコストは運営・配膳・配送費16億2526万7000円、維持管理費(建物・設備等含む)2億3127万円、15年間で18億5653万7000円の計278億4806万1000円と試算。総事業費(イニシャルコスト+ランニングコスト)は441億0058万1000円と算出した。
給食センター方式のスケジュールは、令和6・7年度に事業者募集、8年度に設計、9〜10年度に施工、10年度の開始を想定する。