新潟県ニューレスプ協会(会長・安永育洋日特建設北陸支店長)は6日、新潟市産業振興センターでニューレスプ工法・のり面保護工維持補修に関する技術講習会を開いた。同工法に関心がある建設やコンサルタント業者の関係者ら約70人が参加し、県内の施工実績、補修事例などを学んだ。
既設吹付モルタル・コンクリートのり面の施工経過年数が30年以上経過し、剥離崩壊や劣化が著しく維持管理の観点からも、のり面点検調査・補修補強対策工を検討する事例が多くなっているため、工法の普及拡大を図ろうと企画された。
開会に先立ち、安永会長が「2050年のカーボンニュートラルに向けて低炭素、CO2削減への取り組みを含め、その目的を損なうことなく、柔軟に対応して社会に貢献していきたい」とあいさつした。
続いて、協会から細光洋広報委員長がニューレスプ工法のほか、老朽化吹付法面の吹付材をはつり取ることなく繊維補強モルタル吹付により吹付材表面の被覆を図り吹付受圧板と地山補強土工を組み合わせて法面を補強する吹付受圧板工法(FSCパネル)の概要を説明した。その上で、ニューレスプ工法は従来のモルタル・コンクリート吹付工の補修・補強だけでなく法枠補修(全面・枠内)にも適用されていること、ニューレスプ工法とFSCパネル工法は既設法面の維持・補修だけでなく新設法面や災害復旧法面でも使用されてきていることなどを紹介した。そのほか、県内におけるニューレスプ工法は11―22年度で25件発注されているとし、主要国道における鉄筋挿入工の併用事例や吹付法枠の補修事例などを報告した。また、斜面維持補修施工技術研究会の窪塚大輔技術委員が法面保護工の維持補修に関するガイドライン(案)・事例集についてポイントを解説。
引き続き、公益財団法人鉄道総合技術研究所防災技術研究部地盤防災研究室長の渡邉諭氏が「鉄道における斜面・のり面の維持管理」、富山大学都市デザイン学部都市・交通デザイン学科准教授の河野哲也氏が「新技術開発における適用性検証の必要性」を演題に特別講演が行われた。