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建設新聞社(長崎)
2023/11/08

【長崎】大上戸川河川改修事業(総流防)県が新規着手、概算42億円

河道拡幅や橋梁・堰の改築等


 県は、大村市の大上戸川において河川改修事業(総合流域防災事業)を計画。国の採択を受け、2023年度から新たに事業に着手した。概算事業費は42億円。初年度は測量・調査・設計の各業務に着手。河床掘削や河道拡幅、護岸工、橋梁と堰の改築等を予定している。これまでに河川整備基本方針を策定。今後は河川整備計画に反映させることを目的に、公聴会を開く。


 改修延長はL=3570b。事業概要は河床掘削、河道拡幅、護岸工、橋梁改築、堰改築で、概算事業費は42億円となる見込み。初年度は測量・調査・設計に着手する予定。事業完了目標年度は2052年度。費用対効果(B/C)は6・69とかなり高い。

 大上戸川水系は大上戸川と藤の川からなり、大村市に位置。流路延長約4・8`b、流域面積約9・2`平方bの二級河川。1957(昭和32)年7月豪雨により、全壊流出、半壊、床上浸水等の家屋被害が多数発生。2020年7月の洪水では浸水面積約18f、家屋など浸水51戸が発生しており、治水安全度は十分ではない。また、近年では短時間集中豪雨等による水害のリスクが増大しており、洪水氾濫の危険性は高い状況にある。

 大上戸川流域の人口は約1万0200人であり、その多くは大村市の市街地に集中。このため、河川改修により、治水安全度の向上を図る必要がある。大村市は21年度、県に対し、早期に河川改修事業に着手してほしいと求めた。

 県がまとめた大上戸川水系の河川整備基本方針では、計画規模の降雨により発生する流量を安全に流下させることのできる整備を目指すとともに、多様な生物の生息・生育環境に配慮した河川整備などに努める構え。

 河川整備の基本となる事項においては、基本高水を年超過確率100分の1の規模の洪水とし、そのピーク流量は基準地点である金丸橋(河口より約1・1`b地点)において210立方b/Sと設定。これを河道へ配分。計画高水位は+7・87T・P・m。川幅は30bとする方針だ。

 大村市を流れる大上戸川に関して県は、11月17日と20日(いずれも午後7時から8時まで)、同市本町のプラットおおむら4階大会議室で公聴会を開く予定だ。出された意見を参考に、河川整備計画に反映させる。
ksrogo