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建通新聞社四国
2023/11/07

【高知】高知県 龍馬空港のビル整備方針定める 

 高知県は10月30日、高知龍馬空港の国際線を含む新ターミナルビル整備に向けた検討を行う第9回高知龍馬空港・航空ネットワーク成長戦略検討会議(会長=井上浩之副知事)を開いた。機能や規模を最小限とし、現ターミナルビルとの一体整備を行う「東側整備案」に方針を固めた。今後は、県議会12月定例会で予算案を計上、2024年1月に基本・実施設計に着手、同9月からの施工開始、25年10月の供用開始を目指す。
 ビル東側を活用する案で、整備規模は延べ3376平方bで、内訳は新棟が2611平方b、既存改修が765平方b。新棟は3階建てで、1階部分にロビーやチェックインカウンター、税関検査場などを設け、2階部分に出入国審査場、検疫・保安検査場などを設置。3階部分にANAの事務所や有料待合室などを整備する予定。既存ビルは、搭乗待合室を拡張する改修の他、旅客搭乗橋(PBB)などを設ける。
 ビル東側には既存の井戸、ポンプ庫、緊急ゲートなどがあり、事前に移設が必要となっている。工期は設計や認可手続きなどに8カ月、施工に13カ月の計21カ月を想定。整備費用は19・5億円を見込む。
 会議には空港、出入国や検疫(CIQ)、航空会社の関係者などが出席。比較案として、既存ビル西側に新棟を整備する案も示されたが、24〜25年度の期間で活用する仮設の出入国施設とコンコース部分が干渉し、工期やコストがかさむ懸念があることなどを理由に東側整備案の方を評価する意見が多かった。
 県は20年2月に基本構想をまとめていたが、新型コロナウイルス感染症の流行から国際線の需要回復には年月がかかることを踏まえ、一時事業を中止。航空需要が回復基調となっていることなどを受け、22年度に検討会議を再開した。
 台湾桃園国際空港と高知龍馬空港を結ぶ国際定期チャーター便の就航(週2便)では、10月28日までの搭乗数が約9割(1万6667人)と好調。井上会長は「定期便化を見据えた早急な整備が必要」と話した。スピード感を持って事業を進める方針だ。
提供:建通新聞社