高松市の高松丸亀町商店街DE街区再開発準備組合は、再開発に向けた基本計画策定と計画コーディネート業務を一体の業務として、委託先を順調なら11月中旬に公募する予定だ。丸亀町通りを中心に美術館通りと中古馬場通りの間の敷地面積約1・25fを対象に、再開発をする方針。店舗や集合住宅とともに、シネマコンプレックスや温浴施設といったアミューズメント施設、リラクゼーション施設などの導入を検討する。
基本計画策定と計画コーディネート業務の委託先を決める公募の応募条件としては、再開発プランナー資格者が一定数在籍し、市街地再開発事業の実績がある一級建築士事務所などを考えている。
基本計画作成は主に、都市計画や施設建築物(再開発ビル)の概略、住宅計画、通路や広場など地区施設に関する検討、施設需要調査、権利変換計画、事業スケジュール、資金計画の概略検討を行う。
計画コーディネート業務は、まちづくり組織の立ち上げ、活動支援や住民に対するまちづくりの啓蒙・意見調整、土地利用計画や建築物、建築敷地、公共施設の整備計画を作るための調整、整備手法・手順の検討、関係機関との調整を行う。
現段階で想定する事業スケジュールとしては、2024年4月に基本計画と計画コーディネート業務の委託先を決めて、同年度に基本計画を作成する。市街地再開発事業に関する補助を高松市などから受けるために、基本計画を基に費用便益分析調査を行い、B/C1・0以上の計画を目指す。基本計画をより練った推進計画を25年度に策定し、26年度に市街地再開発事業や都市再生特別地区などに関する都市計画決定を受ける。基本設計を進めた後に、27年度に県知事から市街地再開発組合設立認可を受け、実施設計を経て28年度に権利変換計画の認可を受け、除却工事に着手する計画だ。
高松丸亀町商店街のA街区(高松丸亀町壱番街)とG街区(丸亀町グリーン)と同じように都市再生特別地区の位置付けで事業を進めることを目指している。同地区に位置付けられれば、斜線制限を適用除外し、新たに高さ制限、壁面位置の制限を設けるなど、形態規制を全国一律の基準から変更できる。道路の上を跨いで建物を建てることも可能となり、例えば、丸亀町商店街を跨ぐ形で建物を建てて確保できる大きな床面積を活用したシネマコンプレックスを誘致するといった選択肢も生まれる。実際に道路上空利用をするかどうかは今後詰めていく。
DE街区の地権者は約60者で、このうち3分の2程度が準備組合に加入している。大手デベロッパーに再開発を任せるのではなく、地権者たちがまちづくり会社をつくり、その会社が再開発ビルを取得して、定期借地を活用した事業を進める方針だ。
提供:建通新聞社