農林水産省農村振興局は、2024年度予算の概算要求額(国営事業等)の積算内訳となる地区別要求額をまとめた。このうち、国営かんがい排水事業「新川流域二期地区」は31億7900万円が盛り込まれた。
同局によると「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に係る経費と「総合的なTPP等関連政策大綱」を踏まえた農林水産分野における経費、食料安全保障の強化に向けた対応に係る経費は事項要求として提出し、予算編成過程で検討するため、要求額は変更となる可能性があるという。
対象施設(工事実施中を含む)は新川河口自然排水樋門、田潟排水機場、旧木山川排水機場、鎧潟排水機場、小新排水機場、東部幹線排水路(鋼矢板護岸L=1・3キロ)、新木山排水路(ブロックマット護岸、鋼矢板護岸L=2・5キロ)。今後は小新排水機場の改修や新川流域二期地区鎧潟排水機場ゲート格納庫(W造平屋建て265平方メートル)などを推進する。予定工期は25年度までで、排水樋門改修に54億円、4排水機場改修に138億4000万円、排水路改修3・8キロに27億6000万円を投じる。総事業費は220億円。26年度から28年度まで施設機能監視制度適用期間としている。
なお、技術協力・施工タイプ(ECI)による技術提案・交渉方式を適用した新川河口自然排水樋門第二期建設工事は鹿島が担当し、26年3月18日の完成を目指す。
新川流域二期地区は新潟県のほぼ中央部に位置し、新潟市、燕市および弥彦村にまたがる農地面積約1万9500ヘクタールの県内有数の水田農業地帯であり、海抜0メートル以下の土地が約2割を占める低平地。営農は水稲を中心に、水田の畑利用による大豆、枝豆等のほか、畑での野菜や果樹を組み合わせた農業経営が展開されており、良質な新潟米をはじめ多彩な農産物の生産を通じ、食料供給基地としての役割を果たしている。