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秋田建設工業新聞社
2023/11/02

【秋田】新社名は「ONE・AQITA」、今月下旬設立/生活排水処理の広域補完組織、行政と民間パートナーが株主間協定

 県と県内25市町村、民間が運営し、生活排水処理事業の自治体事務を補完する新会社の設立に関し、県・市町村・民間パートナー事業者(日水コン・秋田銀行・友愛ビルサービス)間の株主間協定を締結した。2日に記者会見が開かれ、3者が設立趣意書に署名した。新会社の名称は「ONE・AQITA(わん・あきた)」。代表取締役社長には佐々木寿一・元建設技監が就任する。法人設立およびサービス開始は今月下旬頃で6年4月から本格運用が開始される見込み。

 新会社の設立時発行株式数は10,000株で、持ち株比率は行政が51%、パートナーが49%。社名の「ONE・AQITA」は、県内一体となって持続可能なインフラ運営に取り組むことと、AKITAと水を表す「AQUA」を組み合わせた造語で「あきた」とし、唯一性を表現した。

 本県の生活排水処理事業においては、自治体の技術職員が減少している「人の課題」、老朽化施設が増大している「モノの課題」、使用料収入が減少している「カネの課題」などの課題を抱えている。課題を解決するため、県、県内25市町村、民間のパートナー事業者が連携して生活排水処理事業等の事務を補完する業務執行体制を構築する。

 新会社では、各自治体の◇経営戦略策定 ◇ストックマネジメント計画策定 ◇経営分析(予算・決算、財産管理、収支予測)◇資産管理 ◇調書作成 ◇台帳管理 ◇積算、工事監督、設計照査、各種協議 ◇業務モニタリング―を支援。高レベルで事務作業を補完することで、課題解決を図る。

 事業パートナーが掲げる運営ビジョンによると「地域の水は地域で守る」というモットーのもと、「実直」「共存共栄」「進化と変化」の3本柱が経営方針。

 また、成長戦略が3フェーズに分かれており、フェーズ1(R5〜10)で広域プラットフォームの構築や産官学による研修会・勉強会の開催、フェーズ2(R10〜15)で水を端緒とした地域価値共創モデルの構想検討や秋田版DXモデルの実装に向けた支援、フェーズ3(R15〜)で水インフラを基盤としつつ、様々なインフラや社会サービスをパッケージ化して支援する「秋田版シュタットベルケ」などを実現するものとなっている。

 新会社の設立、サービス開始は今月下旬頃で、6年4月から本格運用が開始される。本格運用開始時は従業員15人体制を見込んでいる。代表取締役社長には佐々木寿一・元建設技監、取締役には近藤雅下水道マネジメント推進課長、佐々木良徳秋田市上下水道局理事、服部貴彦日水コン技師長、高橋靖弘日水コン技術顧問が就任する。

 2日に開かれた記者会見では、佐竹敬久知事とパートナー事業者の間山一典氏(日水コン代表取締役社長)が設立趣意書に署名。佐竹知事は「県民の暮らしが良くなるよう、3者で連携して事業を進めていきたい」、秋田市生まれの間山氏は「パートナー事業者として地域の役に立てるよう頑張っていきたい」とあいさつした。

提供/秋田建設工業新聞社