福島建設工業新聞社
2023/11/01
【福島】4つのゾーン設定/F-REI施設整備で復興庁
福島国際研究教育機構(F−REI)施設の在り方に関するアドバイザリー会議の第3回会合が31日開かれ、復興庁が施設基本計画の骨子や施設のゾーニング・配置計画、施設整備に係る重点方針などを示した。
ゾーニング・配置計画(ゾーン名は仮称)は、整備予定地の浪江町川添地区16.9haのうち、敷地東側を「研究支援ゾーン1(本部・連携機能)」とし、不特定多数の利用が見込まれる機能を集約。本部施設や本部機能支援施設、図書・情報施設、講堂・ホール施設等を配置する。
北側は「同支援ゾーン2(研究者滞在機能)」として短期宿泊施設等、敷地中央には「研究施設ゾーン1(一般)」として研究実験施設等を置く。西・南側は「同施設ゾーン2(実験)」で固有実験施設等を整備する。
施設は@ロボットA農林水産業BエネルギーC放射線科学・創薬医療、放射線の産業利用)D原子力災害に関するデータや知見の集積−を基本とした研究開発機能をはじめF−REIが担う産業化、人材育成、司令塔各機能を備える。
施設整備に当たっては、各研究分野の深化と分野横断・異文化融合が達成できる研究開発環境の実現に加え、研究者が活躍できる環境整備、魅力的な研究環境の提供を重視。研究・実験室は安全性やセキュリティを考慮して一定の独立性を確保しながら視覚的、距離的に一体感のある空間とするほか、柔軟にプラン変更等が可能な空間・配置、回遊性のある配置等を目指す。
分野別重点方針として「交流・連携」では、敷地東側の研究支援ゾーン1の建物外部を緑地空間とし、気候の影響を受けないスペースの設置を検討。歩車分離を徹底する。食堂や喫茶、展示スペースなど建物内部にも交流スペース設置を検討する。
「防災・減災」では各棟の機能に応じて適切な耐震性能を設定。研究実験施設は免震装置の設置を検討する。浸水リスクを考慮して盛土を行い、範囲はセキュリティレベルに応じて決定する。業務継続性等の観点から適切な防災対策や電力、給排水など非常時のエネルギー確保を検討する。
「環境・サスティナビリティ」に関しては、エネルギー管理システムの構築や省エネ設備の導入等に取り組む。再生可能エネルギー(太陽光、地中熱等)や水素などグリーンエネルギーの活用、エネルギー分野の研究成果の還元・実装等を行う空間整備等を検討。グリーンインフラの考え方を取り入れた施設整備し、雨水等水資源の再利用に取り組む。研究施設としての機能や特性、工期等を踏まえて木造化や内装の木質化に努める。
来年1月ごろに予定している第4回会議で、施設基本計画案などを協議する。