建設新聞社
2023/11/01
【東北・福島】福島県が双葉地域中核的病院の整備基本構想案
福島県病院局は、10月31日に福島市で開かれた「第6回双葉地域における中核的病院のあり方検討会議」の中で新病院の整備基本構想案を示した。建設予定地を休止中の県立大野病院含む周辺エリアとし、病床250床前後で新築。デジタル技術を活用したスマートホスピタルの提供や福島国際研究教育機構(F―REI)との連携などを図るとした。
双葉地域は福島第一原子力発電所事故の影響で、中核的病院であった大野病院をはじめ多くの医療機関が休止を余儀なくされた。現在は診療所などの再開・新設が一定程度進展しているが、今後の住民帰還などにより医療需要増加が見込まれることから大野病院に代わる新病院の整備を決定し、本年度には基本構想・基本計画策定業務を野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリーに委託した。
基本構想案によると、建設予定地は大熊町下野上大野98の1地内の大野病院(県有地)に公園(町有地)を合わせた約3万3000平方b。病床規模は一般(急性期機能・回復期機能)、感染症が受け入れ可能な250床前後(開院時は100床前後)とし、想定診療科は20科。デジタル技術の積極的活用やF―REIの各研究分野との連携を進めるほか、地域包括ケアシステム構築、救急医療の提供、災害時対応なども行う。
今後、11月末に基本構想を策定・公表し、本年度内の基本計画一部着手、24年度の基本計画策定・公表を予定。24年〜25年度に大野病院解体(設計含む)、24年〜26年度に基本・実施設計を作成し、早ければ26年度にも造成、建築、外構工事に着工。29年度以降の開院を目指す。
基本計画の作成に当たり、病室や医療機器などの設計基礎条件や整備手法などを県立医科大学の助言を受けながら検討する。24年度の基本計画本格着手時に策定支援業務の発注を予定している。
提供:建設新聞社