災害時の避難拠点等になる庁舎・支所整備の計画をまとめた。県では出先機関の老朽化を判定した結果、南薩地域振興局庁舎の再整備に向け取り組んでいるほか、北薩と大島は2032年度末、姶良・伊佐は37年度末を目途に建て替えが望ましいと判断。南薩での取り組みを参考に24年度中に具体的な再整備時期を精査する。また、国の川内川河川事務所の建て替えは22年度予算から要求していたが、年度末の予算編成に向け予断を許さない。
南薩地域振興局の取り組みは、基本計画策定支援およびPFI等導入可能性調査に向け公募型プロポーザル中で11月下旬の業者決定を予定。移転先は南九州市知覧町にある県立保健看護学校跡地で敷地面積は3万3634u。管理棟等が残っている。
県では22年度末で建設から50年を超える15庁舎を対象に劣化状況調査等を実施。その結果、北薩と大島はコンクリートのひび割れが拡大しつつあるため今後10年、姶良・伊佐は2庁舎と比べ鉄筋腐食の進行が緩やかなため15年程度の期間を設定。
県下27警察署のうち、伊佐湧水は23年度、鹿屋が26年度に整備が完了。また、築年数が古い順に日置、曽於、枕崎、職員1人当たりの面積が小さいのは霧島、薩摩川内、奄美となっている。
国土交通省は川内川河川事務所建て替えを老朽化と立地条件の不良があるため22年度から要求。計画では、建物規模がRC造3階建2521u、24年度から設計、26、27年度の建設を見込む。全体計画額は15億9010万円で24年度の計画額は1142万円。
■各自治体の動き
伊佐市 64億を確保
伊佐市は整備に向け継続費で64億2980万円(23〜26年度)を確保。順調に進めば、入札は23年度中に行われる見通し。整備内容はふれあいセンター(S一部SRC造4階建5911u)の南側にあるアトリウム(吹抜空間)部分を解体し、庁舎の建設用地を確保した上で新築本体の整備に入る。基本設計による新築部分の規模はS造4階建6291uとなっている。
南九州市は知覧農業振興センターの跡地に新庁舎を計画。建物規模はS造3階建約6580u。敷地内には附属棟(S造2階建840u)、駐車場は549台分、イベント・防災エリア(芝生広場)等のエリアも見込む。