大津市総務部は、これまで施設ごとに行ってきた維持管理に係る業務について、マネジメント事業者に一括して委託する方式、いわゆる「公共施設包括管理業務委託」を導入する。所管の同部行政改革推進課では、マネジメント事業者を来春に公募型プロポーザルで選定、来夏に市と決定したマネジメント事業者による説明会を行い、来年11月から一部業務を開始、25年4月から全業務に拡大する考えだ。
同市では、公共施設の維持管理に関する事務の効率化や情報の一元化、管理水準の均質化を目的として、保守点検や清掃、除草などの施設管理に共通する業務に関する包括的な委託の導入を検討。施設の安全性確保や利便性向上など市民サービスに寄与するとして、既にマネジメント事業者に対するサウンディング調査も実施し、導入の方向性を打ち出し、具体化準備を本格化。10月に入り、これまで市の維持管理業務を受注している業者を対象に説明会を開催している。
市の維持管理業務を受注している業者を対象にした説明会によると、市からマネジメント事業者には、マネジメント経費を支払い、マネジメント事業者はこれまでと同水準で市内業者を活用して、市産業の活性化に努めることが契約条件となっているという。またマネジメント事業者に対しては定期・随時にモニタリングを行い、各業務の適正な履行、公平・公正な発注状況をチェック、必要に応じて改善を求める方針。
「公共施設包括管理業務委託」の対象となるのは、市民センター36施設、幼稚園・保育園43施設、小中学校55施設の計134施設。また対象業務は@自家用電気工作物保安管理A受水槽、高架水槽保守点検B防災設備点検C空調設備保守点検D自動扉保守点検E機械警備F昇降機保守点検G遊具点検Hプール循環ろ過装置保守点検I浄化槽維持管理J建築基準法第12条点検K緊急通報点検L建築物環境衛生管理M建物総合管理N建物消灯、施錠確認O清掃P樹木管理、除草Q修繕(原則130万円以下)R巡回点検―以上19業務。
なお、同委託については全国的に導入の自治体が増えており、近隣では草津市、近畿圏では明石市などが採用している。
提供:滋賀産業新聞