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建通新聞社四国
2023/10/31

【香川】香川県 玉藻地区クルーズ船など「実施」 

 香川県は10月19日、公共事業評価委員会を開き、高松港玉藻地区での大型クルーズ船受け入れのための工事など県と高松市、丸亀市の合計7事業の新規事業採択時評価について全て「実施妥当」の結論を得た。2024年度から新規事業化する事業に加え、もともと交付金事業などで着手していて、さらに予算を確保するために個別補助事業に切り替える案件も含まれる。
 高松港重要港湾改修事業(玉藻地区)は、玉藻地区の既存岸壁を延伸して大型クルーズ船を受け入れられるようにするもの。桟橋とドルフィンなどで岸壁の延長を現在の延長310bから395bまで伸ばす計画で、24年度に詳細・実施設計、25〜26年度に桟橋下部工、26〜27年度に桟橋上部工、25〜27年度にドルフィン工や連絡橋設置などを行うスケジュールとなっている。総事業費は8億8000万円。27年度の完了を予定する。
 港湾関連では、東かがわ市での三本松港海岸海岸浸食対策事業(須賀地区)も計画。延長80bの離岸堤6基、合計480bを建設し、さらに階段式緩傾斜堤延長630b、消波ブロック被覆堤延長70b、飛沫防止帯(植樹帯)延長630bを整備する。総事業費は40億6400万円で、33年度に完了させる。22年度から行っている測量と予備設計を本年度にまとめ、詳細設計を順調なら24年度に委託する。
 砂防分野では、24年度から個別補助事業に切り替えて整備を進めて28年度の完了を目指す上谷川と清水川、明神川の事業間連携砂防等事業について一括審議した。
 「上谷川」は善通寺市大麻町上ノ村山に砂防堰堤1基を建設する計画で、総事業費は3億4700万円。堰堤長は115b、堰堤高は11・5b。用地取得は完了済み。工事用道路の建設に着手しており、さらに本年度に堰堤工の掘削を始める。
 「清水川」はさぬき市志度で砂防堰堤1基を建設し渓流保全工を施すもので、堰堤は堰堤長65・9b、高さ14・5b。渓流保全工の延長は110b。堰堤や渓流保全工の整備に必要な事業用地は全て取得できており、24年度から管理用道路や砂防堰堤に着手する方針だ。堰堤は3年間ほどで完成させて、その後流路工に移る。総事業費は3億6500万円。
 「明神川」は小豆島町西村に砂防堰堤1基と渓流保全工を建設する計画で、堰堤長35・7b、堰堤高6・5b。渓流保全工の延長は280b。総事業費は4億3700万円。用地確保は済んでおり、本年度に砂防堰堤工事の掘削に着手した。25年度ごろまで継続して堰堤工事を行いつつ、26年度ごろから渓流保全工を開始し、28年度に管理用道路を補修して事業を完了させる。
―高松市、丸亀市の大規模雨水処理施設整備事業も「実施」
 公共事業評価委員会では、高松市や丸亀市が主体となる事業についても審議し、「実施妥当」の結論を得た。
 高松市の「浸水対策下水道事業勅使第1地区(大規模雨水処理施設整備事業)」は、過去に台風や豪雨で浸水被害を受けている高松市勅使町と成合町の「勅使第1排水区」の既存水路の能力不足を補うためにバイパス幹線を整備する。管口径1200_を延長214b、口径1800_を延長1228bにわたって建設し、香東川に隣接する既設水路に排水する。口径1200_の管は中大口径推進工法で、口径1800_の管はシールド工法で施工する。事業に必要な用地は借地協議が完了しており、関係機関協議も本年度中にまとめる予定だという。24年度に工事着手し、27年度に完了させる見通しだ。事業費は34億9000万円。
 丸亀市の浸水対策下水道事業今津他4地区(大規模雨水処理施設整備事業)は、浸水被害を軽減するために、丸亀市津森町などで雨水ポンプ場2カ所を新設し3カ所を改築する。新設では、今津地区でポンプゲート式の今津ポンプ場の建設に着工しており、24年度の完成を予定している。また、下水道法の認可施設ではなく、1969年の建設から50年以上がたつ土器地区の産砂ポンプ場を下水道施設に位置付け、排水能力毎秒7・2立方bの新たなポンプ場を建設するため、基本的な検討業務を本年度に着手している。土器地区では21年7月の豪雨で小規模ではあるが複数箇所で道路冠水などの浸水被害が発生しており、産砂ポンプ場の増強で軽減を狙う。総事業費は20億円。
 塩屋、城西、城北地区の各合流式ポンプ施設については雨水ポンプ設備1〜2基の改築更新を行い、排水機能を確保する。ポンプ場新設を優先して行い、改築は工事時期の平準化を意識しながら進めていく。総事業費は3カ所合計で20億円。事業完了は33年度を見込む。
提供:建通新聞社