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建通新聞社
2023/10/31

【大阪】大阪府域下水道事業経営戦略中間見直し 答申案を示す 

 大阪府は10月27日、2023年度第2回大阪府流域下水道事業経営戦略審議会を開き、18年に策定した経営戦略の中間見直し案を審議。審議結果を踏まえ、答申案を示した。今後答申を取りまとめた後、パブリックコメントを実施。本年度内に計画を策定する。
 中間見直しでは、合流式下水道の改善や下水道資源・エネルギーの有効利用など、現在の経営戦略において「その他の取り組み」としてまとめられていた施策を主要施策に移行。また新しく、▽デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進▽カーボンニュートラルの推進▽高度処理(公共用水域に対するニーズ変化への対応)▽下水道事業のPR活動▽人材育成と技術の伝承―の項目を追加した。
 DXの推進では、管路施設の情報や維持管理情報について25年度末までにデータベースシステムへの登録を完了させる他、ICT活用工事の推進やポンプ場遠隔監視の導入に取り組む。また、カーボンニュートラルの推進では、汚泥の焼却によって発生するN2OやCH4、CO2の排出を抑制するため、燃焼効率と環境負荷の低減に優れた焼却炉の導入を推進する。
 大阪府流域下水道事業経営戦略は、18〜27年度の10年間を計画期間とし、経営目標と目標達成のための施策、投資目標と収支計画を示すとともに、経費負担の在り方を示している。策定から5年が経過し、経費負担制度の見直しが市町村と合意に至ったことや社会情勢の変化などから取り組み内容や収支計画を見直した。
 審議会では、答申の取りまとめに際し@物価高騰などによる事業費変化が見込まれる中での更なる事業の効率化による経費削減や、限られた財源の中での合理的な事業展開A徹底した事業の見える化と、経営についての説明責任、効果的な情報発信の実施B毎年度の進捗管理と、数年ごとの計画と実績との乖離(かいり)検証を踏まえた、社会情勢の変化に対応した事業運営C市町村と十分な議論を行った上での適切な経営―の4点を留意事項として付記することについて意見が出された。