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日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/10/31

【埼玉県】バスタ大宮計画、設置範囲で市が参考資料

 国土交通省や県、さいたま市、鉄道事業者らが共同で整備検討を進めている「大宮駅西口交通結節点」(仮称・バスタ大宮)。駅西口側に多様な交通手段を集約した新たなターミナル拠点を置く構想だが、具体的な候補箇所の選定には至っていない。ただ、各関係者でおよそのイメージは抱いているようだ。さいたま市は国に対する予算要望の中で、考えられるバスタ大宮の設置範囲を示した。
 バスタ大宮の検討会は、これまで2回開催(2021年4月と23年3月)された。駅西口が備えるべき基本機能の整理などがまず進み、その後、候補箇所の選定が徐々に具体化する。2回までの検討会で位置を巡る公式な見解は出ていない。
 さいたま市がイメージとして示したバスタ大宮のおよその設置範囲は、2024年度「国の施策・予算に対する提案・要望」に関連したものだ。駅西口の南西、商業施設のそごう大宮店や、駅西口第四土地区画整理事業の施行区域などを含む一帯を円形に囲む絵を参考資料として要望・提案書中に図示している。
 市側は、バスタ大宮の早期の位置決定、それによる事業計画の策定進行を強く望む。バスタ大宮関連の要望で、市が設置範囲のイメージを付けるようになったは24年度要望の前期分(6月)が最初だった。
 市側のイメージは、バスタ大宮の検討会で共有されたレベルのものではない。関係機関が共同で検討を進める枠組みの中、検討加速を促そうと、できる限りの形で踏み込んだ格好にもみえる。このほど発表した後期分(10月)の予算要望にも同じイメージ図を出し、市としての思いを国には印象付けた。
 市の9月定例議会における一般質問では、市議から「バスタ大宮へ首都高を地下直接接続すべき」との質問が出た。市は「候補地が選定された際には、首都高の地下直接接続について実現可能性も含め検討を働き掛ける」と答弁した。
 バスタ大宮には基本的に高速バスを集約、一部がさいたま新都心地区を経由する「大宮駅周辺集約型」の運営が想定されている。国も事業に期待する地元自治体が、先を見て情報発信すること自体を否定するものではない。
 市と共に事務局を務める関東地方整備局大宮国道事務所によると、年度内には第3回検討会を開く方向で調整している。ただ、第3回の議題は導入機能が中心となりそうで、具体的な候補箇所の検討着手はまだ先になる見通し。駅前のまちづくりに大きく関与する議論の状況に要注目だ。