岡山市は、低密度な市街地の拡大抑制によるコンパクトでネットワーク化された都市づくりの実現に向け、50以上の建築物が連担している地域の開発を許容している市街化調整区域の50戸連たん制度を廃止する開発許可制度の見直し素案をまとめた。11月の都市計画審議会での検討などを経て、2024年2月議会で岡山市開発行為の許可基準などに関する条例の廃止案を提出。24年4月から2年間の経過措置後に運用を開始する。
また、人口減少が著しい区域限定で地域コミュニティーの維持・活性化を図るため新たに「20戸連たん制度」の新設、地域再生のため空き家を活用した農家レストランや賃貸住宅などへの用途変更が可能となる制度を新設する。
市は、7月に市街化調整区域の開発許可制度の見直しについての審議をスタート。都市計画審議会の学識経験者で構成する検討部会を設置し部会で見直し素案をまとめた。
45年に岡山市の人口が69万人になり、15年の71万9000人より約2万9000人減少し、3人に1人が65歳以上となる見通し。市は、人口減少や高齢化でも持続的に発展できるように、立地適正化計画の基本方針に沿って、優良な農地や自然環境の保全のために市街化区域縁辺部などの無秩序な乱開発の防止や中山間地域の活性化を促したい考え。
岡山市の面積のうち、市街化区域は約13%、市街化調整区域は約61%、都市計画区域外は約26%の状況。20年度の国勢調査では、人口の約81%が市街化区域に居住しており、市街化調整区域の人口は約17%。市街化調整区域の開発許可は、年平均384件、開発面積は年平均20fで、許可件数が政令指定都市の中で最も多く、2位の熊本市の179件を大きく上回っている。開発面積も第2位で市街化調整区域の開発が活発に行われている。
市街化区域の縁辺部で多い50戸連たん制度による市街化調整区域の開発により、西大寺、岡南などの市街化区域内で人口密度が低下している地区も出ている。
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提供:建通新聞社」