農林水産省農村振興局は、2024年度予算の概算要求額(国営事業等)の積算内訳となる地区別要求額をまとめた。このうち、国営かんがい排水事業「加治川用水地区」は23億4000万円が盛り込まれた。
同局によると「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に係る経費と「総合的なTPP等関連政策大綱」を踏まえた農林水産分野における経費、食料安全保障の強化に向けた対応に係る経費は事項要求として提出し、予算編成過程で検討するため、要求額は変更となる可能性があるという。
加治川用水地区は県北部に位置し、北蒲原平野に広がる新潟市北区)、新発田市および聖籠町の2市1町にまたがる約6100ヘクタールの稲作経営を主体とした農業地帯。2012年度に事業着手し、27年度の事業完了を目指す。再評価時点における総事業費は308億円(22年度時点)で進ちょく率は82・0%(予算ベース)。これまでに内の倉ダム、松岡ため池、頭首工などの施設は順調に整備が進み、24年度までにに残りの幹線用水路や水管理施設の整備などを進める計画。主要工事はダム1か所(改修)、ため池1か所(新設)、頭首工3か所(改修)、用水路21・2キロ(改修)となっている。
加治川用水地区のかんがい用水は、国営加治川土地改良事業(1964〜74年度)により造成された、内の倉ダム、加治川第1頭首工および加治川第2頭首工等の農業水利施設により供給されている。しかしながら、事業完了後約40年が経過し、ダム、頭首工および用水路等の老朽化が進行し維持管理に多大な労力と経費を要している。また、営農形態の変化(前歴事業完了後、中生品種であるコシヒカリの作付けが増加)に伴う用水需要の増加により、用水不足が発生している。このため、同事業により老朽化が進行している施設の改修を行う。