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　八潮市は、今後の学校給食提供の方向性を検討する「学校給食ビジョン案」の中で、市が給食施設を整備・運営する「公設給食センター方式」で複数の給食施設整備を目指す意向を示した。同案に関する意見を集めた後、本年度内にビジョンをとりまとめる予定。複数の給食施設を整備する方向で固まれば、今後は施設整備に向けた基本計画の策定へ入る想定だ。
　市は２０２０年６月に学校給食で調理工程の誤りを原因とする食中毒事故が発生したことを受けて、事故再発防止に向けた対応を急ぐ。22年11月に公表した学校給食ビジョンの中間報告では、現在の給食提供方式である「民間事業者によるデリバリー方式」から、市が給食施設を整備・運営する「公設給食センター方式」とすることが望ましいとの見解を示した。
　今回公表した学校給食ビジョン案では、今後の給食提供方式を「公設給食センター方式」としつつ、リスクを分散する観点から複数のセンターを整備する方針を打ち出している。市民からの意見を募めつつ、本年度内に最終的なビジョンをとりまとめる見通しだ。
　複数の給食施設を設ける方向で固まった場合でも、事業の実現には▽複数の施設建設用地確保▽事業手法▽事業推進のための合意形成、事業の開始時期▽施設が老朽化した場合に想定される対応――を始めとする多くの課題を検討する必要がある。基本計画では、これらの方針を検討するものとみられる。