富山県建設業協会は23日、射水市黒河の富山県立大学で、「女子大学生と女性技術者との座談会」を開催した。
建設業界で働くイメージや職場の環境・雰囲気、仕事とプライベートの両立など、普段聞けない疑問について、女子大学生が第一線で活躍する女性技術者と直接、意見交換できる場を提供。疑問・不安などを解消し、参加者同士の交流と建設業への理解を深めることで、入職・定着につなげる目的で開いたもの。県からの受託事業。
この日は、県立大学工学部環境・社会基盤工学科1〜3年の女子27人が出席。県内建設企業の女性技術者からは▽川端千裕(寺崎工業)▽西川優花(辻建設)▽蟹澤佳苗(野原建設)▽金塚歩美(射水建設興業)▽大坂泉美(嶋田建設工業)▽石黒莉歩(近藤建設)▽安田笑美(安達建設)▽宮崎裕里奈(岡部)▽山岸菜摘(松本建設)−の9氏が参加した。
冒頭、同科の古谷元教授が、「建設業界が住みやすい社会を作り、役に立っていることが段々認識されてきた。仕事内容など生の声を聞くことで、今までのイメージも変わってくると思う。今後の進路の参考にしてほしい」とあいさつ。
女性技術者9人が自己紹介した後、大坂氏が土木、石黒氏が建築の仕事内容を説明し、「女性でも十分に活躍できる業界。一生続けられる仕事」などと伝えた。
安田、宮崎、山岸の各氏がそれぞれの仕事内容などを説明。このうち、山岸氏は、産休・育休の取得結果を紹介した上で、「建設業は、女性が活躍できる仕事になってきた。女性の数が増えれば、より良い仕事環境、育児と仕事の両立のしやすさにつながる。みんなで活躍していきましょう」と呼び掛けた。川端、西川、蟹澤、金塚の4氏が建設業界に入ったきっかけ、今の会社に就職した経緯などを答えた。
その後、3グループに分かれ意見交換。女子大学生の質問に対し、女性技術者は自身の経験を基に分かりやすく回答した。終了後、グループの学生代表が議論内容を発表し、「女性専用トイレなど、環境整備が進んでいることが分かった」、「育休・産休後は書類作成の業務にシフトできたり、子供の体調不良時にも配慮があり、建設業に関心が持てた」、「育児と仕事の両立で時間が足りない時は、割り切って仕事を手段として捉えることも大切」、「就職活動では場数を踏むこと、一般常識の勉強をすることが大事」、「女性はコミュニケーションが得意。現場では小さなミスが結構起きるが、コミュニケーションでカバーできる」、「男女の関係なく、休みが取りやすい環境であり、女性だからと肩身の狭い思いをすることはない」などの意見があったことを報告した。
最新の施工技術学ぶ/六家立体工事現場を見学
この日は座談会の開催に先立ち、現場見学会も行われた。
一行は、北陸地方整備局富山河川国道事務所の発注工事で、砺波工業が施工を担当している、一般国道8号六家立体「祖父川橋下部その3工事」(高岡市六家地先)の現場を訪問。
富山河川国道事務所の村中祐治工務第二課長、辻森伸幸建設専門官から事業概要の説明を受けた後、実際の現場を見て回り、最新の施工技術に理解を深めた。
また、現場では、CIMや鉄筋の組立作業もそれぞれ体験。砺波工業の若手女性技術者である葉山みのりさんらが、現在の仕事内容、やりがいなどを発表した。