県総合企画部は、第6次国土利用計画・土地利用基本計画の2026年3月の決定・公表に向け、国土利用計画地方審議会の23年度第1回を20日、千葉市にあるホテルプラザ菜の花4階槙で開催した。7月末に第6次国土利用計画(全国計画)が閣議決定され、また18年度策定の現行計画が25年度末に終期を迎えることに伴い、県土についておおむね10年間にわたる土地利用の基本的な方向性を示し、計画に即した規制などの措置を講じることを目的としている。
審議会は都市問題、交通問題、土地問題、防災、地方行財政など各分野の専門家17人で構成。委員の任期は3年。
冨沢昇・総合企画部長は冒頭、国土利用計画・土地利用基本計画について「人口減少、高齢化社会に突入している中、県土の効果的な利用と効率的な管理を進め、県民のより良い暮らしを実現していくために重要」との見方を示した。
また、会長に選任された北原理雄・千葉大学名誉教授は、審議会について「県土の利用に関する基本的な事項、土地利用に関する重要な事項を聴取・審議することが役割」と説明した。
今後は、24年3月の基本的な方向性の確定、24年10月の骨子案確定、25年3月の素案確定、12月の案確定を経て、26年3月に計画を決定・公表する予定。
新湾岸や北千葉/県の将来に直結
委員の宍倉登・県議会議員(自由民主党千葉県議会議員会)は、道路問題に絡み「新湾岸道路は県の将来に深く結びついている。県として計画段階から積極的に参加し、今ある課題やこれからの県の方向性を一緒に解決していくような取り組みにしてほしい」と求めたほか、国道16号の渋滞解消に寄与する千葉北西連絡道路の計画にも言及した。
また、松澤武人・県議会議員(無所属)は、鎌ケ谷市の状況を踏まえて「北千葉道路に早期着工することで、土地のポテンシャルが上がるのではないか。産業用地の整備を含め、北千葉道路の沿線の土地活用についてしっかりと考えていくことが市の未来につながる」との認識を示した。
そのほか、委員からは、既存の都市地域の有効活用と宅地開発の抑制、空き家・所有者不明土地への対応、激甚化している自然災害への対応、生活様式の変化に伴うデジタル活用の徹底、産業用地確保の方策検討、コンパクトシティに寄与する大型団地の再整備、市街化区域拡大による宅地開発の促進、水害を踏まえた太陽光発電施設の設置に関する記載の見直しなどに関して意見が上がった。
なお、全国計画では「持続可能で自然と共生した国土利用・管理」を基本方針に掲げ、地域全体の利益を実現する最適な国土利用・管理、土地本来の災害リスクを踏まえた賢い国土利用・管理、健全な生態系の確保によりつながる国土利用・管理をポイントとし、国土利用・管理DXや多様な主体の参加と官民連携による国土利用・管理に取り組むこととしている。