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秋田建設工業新聞社
2023/10/24

【秋田】県有施設の太陽光導入/対象絞り込みへ、PPA導入なども検討

 県環境管理課は、県有施設で太陽光発電設備の導入施設を絞り込むため、各施設の所管課への説明や調整を進めている。クリーンエネルギー産業振興課が実施した導入調査に基づき、550施設以上ある県有施設の中から40施設程度まで絞り込む予定。近年、導入が進む無償設置型太陽光発電事業(PPAモデル)などの導入も視野に入れている。

 県は昨年度、2050年の脱炭素社会実現に向け「県有施設への太陽光発電設備導入調査業務」をテイコクに委託。550カ所以上ある県有施設を机上調査で200カ所程度に絞り込んだうえで現地調査を行い、振興局庁舎やスポーツ施設、学校施設、老人福祉施設など50施設程度を抽出している。

 業務では導入可能容量の調査や年間発電電力量の試算、設備導入・運用費用の試算、経済効果の分析などを行ったうえで、施設の改修計画も含めた導入スケジュールなどを検討。主に「CO2削減効果」「建物の健全性」という2つの視点で各施設を評価・点数化し、対象施設を絞り込んでいる。ただ、抽出された施設の中にはすでに太陽光発電設備が設置されているものもあり、さらに精査が必要となっている。

 県が環境負荷の低減に取り組むため策定した「秋田県庁環境保全率先実行計画」の第5期(令和4〜12年度)によると、12年度には建築物(敷地を含む)の約50%以上で太陽光発電設備の設置を目指すとしており、目標を達成するには最低でも35〜40施設程度への設置が必要と試算している。

 最近は、発電事業者の負担で公共施設の屋根などに太陽光発電システムを設置し、発電電力をその公共施設に供給する「無償設置型太陽光発電事業」(PPAモデル)の導入が自治体でも進んでいるが、県有施設は施設数が多く、各施設の所管課の理解を得るプロセスも必要なため、導入施設の決定までには一定の期間を要する見通し。

提供:秋田建設工業新聞社