日本塗装工業会(加藤憲利会長)が主催する第27回全国建築塗装技能競技大会(後援は北陸工業新聞社ら)が19日、最終日を迎えた。
この日は朝8時から競技開始。その後間もなく集まった大勢の来場客が見物する中で、選手たちは前日に続いて集中力を途切れさせることなく、制限時間となる正午まで黙々と丁寧に作業を進めていった。
その後、休憩などを経て表彰式が執り行われた。式の冒頭、加藤会長は、選手を労うとともに「単に卓越した技能を持っているというだけでなく、各現場でも模範として周りを引っ張っていく存在になってほしいと期待している」とあいさつした。
来賓からは佐藤信秋参議院議員と磯田達伸長岡市長が祝辞を述べた。その中で、佐藤参議院議員は「仕事の価格上昇がきちんと(人件費などに)反映されるよう、材料費と人件費を分けて適正価格を算出する方法に変えていく。期待してほしい」と今後について自信を見せ、磯田市長は「長岡は工業都市だが、色々な分野で技術の継承・伝承が課題になっている。皆さんも会社や支部で技術伝承のリーダーとしてご活躍頂きたいと心から願っている」と選手にエールを送った。このほか、国土交通省不動産・建設経済局建設市場整備課専門工事業・建設関連業振興室の三木浩平業務係長が、塩見英之局長の祝辞を代読した。
表彰状授与では、内閣総理大臣賞の松田剛氏(北海道支部)、国土交通大臣賞の前田誠治氏(熊本県支部)、厚生労働大臣賞の加賀美哲也氏(山梨県支部)ら22人に賞状やトロフィーが手渡された。なお、北陸ブロック勢は、新潟県支部から出場した寺澤一希氏(キムラ塗装工業)が一般社団法人日本塗料工業会会長賞、今井優太郎氏(ビソー)が日本塗料商業組合理事長賞、渡邉優氏(斎藤塗装工業)が特別賞の新潟日報賞、富山県支部から出場した稲本明修氏(平沢塗装)が同じく特別賞の長岡造形大学賞を受賞した。
講評では松田勝巳審査委員長(大阪府支部長)が「与えられた課題は大変難しかったと思うが、短期間でよくあそこまで仕上げた。自由課題においても『塗装ってすごい』と思わせるものを表現してくれた。ただ、調色はもう少し上手くなってほしい」と総括し、「技能をもっと向上させ、後輩育成に携わってほしい。建築塗装は大事な仕事。日本塗装工業会だけでなく、業界を盛り上げて頂きたい」と話した。