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建通新聞社(中部)
2023/10/23

【愛知】名古屋市 安井と契約 新障害者スポセン

 名古屋市住宅都市局は、新たな障害者スポーツセンター整備に向けた基本・実施設計の公募型プロポーザルを行い、設計者を安井建築設計事務所名古屋事務所(名古屋市東区)に決め、10月19日付で契約した。契約金額は1億6850万円(税込み)。提案概要では、押切交差点側にエントランスと交流ラウンジ、ホワイエ、多目的室などを外から見えるように配置し、活動がまちからみえるようにすることで、気軽に訪れやすく、親しめる施設にするとしている。2025年3月までに設計成果を得て、工事発注に備える方針だ。
 新たな障害者スポーツセンターについて、安井建築設計事務所は4階建て建物を提案。地下1階を駐車場、1階にプール、交流ラウンジ(2層吹き抜け)、多目的室、2階に卓球室、トレーニング室、3階に体育館、会議室、屋上テラス、4階に多目的室、相談室、観覧スペースを主に配置する。4階建てにすることで、各階から避難できる屋外スロープを設置できるとし、非常時には全ての人が安全に避難、移動ができるようになるとした。
 ユニバーサルデザインでは、今後のインクルーシブ体育館の模範となるよう、施設を計画するとしている。直感的に分かりやすいピクトサイン、触って分かる点字・触地図、聴いて分かる音声誘導案内、光で分かるフラッシュタイプの誘導灯など、十分な案内設備を設置。廊下は見通し良く、広く直線的とし、できる限り連続した手摺りを設けるなどする。また、全館空調と十分な換気ができるようにし、体温調節が困難な人に配慮する計画としている。
 各階の概要では、地下駐車場は福祉車両でも安全に乗降可能な高さと広さを確保。プールは安全な幅があるプールサイド、更衣室では男女に加え異性介助に対応した多目的更衣室、障害種別に応じベット付、トイレ付、固定・ハンドシャワーなどさまざまなタイプの更衣室の配置を提案している。3階ホワイエや4階多目的室は、可動間仕切りにして多様な利用ニーズに応える。アリーナ床は車いすバスケを考慮した表面仕上げのフローリング鋼製床とするなど、パラスポーツに適した仕上げ材・ディテールを採用するとした。
 周辺環境・地球環境配慮では、既存地下躯体の山留活用を検討するとしている他、地下駐車場に高炉セメントや再生砕石の積極活用、プール、体育館空間でのPC梁による大空間確保、遮音性能の高い外壁の使用、万が一の浸水に備えた上層階の機械置き場などを挙げている。敷地北西側にはインクルーシブ広場を設け、地域とのふれあいの場、見通しの確保を通じた安全性確保につなげる。
 その他、デジタルサイネージ、無線LAN、eスポーツ対応など、デジタル環境に対応した施設づくりを行うとしている。
 新たな障害者スポーツセンターは、旧西区役所等庁舎の敷地約3632平方bを活用して整備する。名東区にある障害者スポーツセンターとの2館体制にすることで、利用者の地域的な偏りなどの課題に対処するとともに、身近な地域でスポーツができる環境を整える。


提供:建通新聞社