日本工業経済新聞社(茨城)
2023/10/20
【群馬】地蔵川第二砂防堰堤、23年度分を年内に発注へ
国土交通省利根川水系砂防事務所は、嬬恋村鎌原地先に位置する地蔵川第二砂防堰堤の23年度分工事を年内に一般競争入札で公告する。工事規模は2億円未満を見込む。浅間山直轄火山砂防事業として施工するもので、全体事業費は391億円。事業全体の完了は31年度を目指している。設計はオリエンタルコンサルタンツ(東京都渋谷区)がまとめた。
第二砂防堰堤は堤長528m、高さ10m、泥流捕捉量12万立方mの規模。融雪型火山泥流を止めるためクローズ型としている。
今回発注となる工事は右岸側の整備を進めるもの。用いる資材総量はソイルセメント約5500立方mを想定。また盛土工として約5500立方mを見込んでいる。24年度以降には水叩き、副堤の施工など実施予定。25年度の完了を予定している。
地蔵川第二砂防堰堤は22年度から工事に着手。22年度および23年度に発注した工事は渡辺建設(嬬恋村)が担当している。これまでに砂防ソイルセメント約5万6000立方m、盛土工約2万8000立方mの整備を完了している。ソイルセメントの施工ベースにおける進捗率は約9割となる。
同堰堤の下流に建設する地蔵川第一砂防堰堤についても、渡辺建設が担当し23年に堰堤部の工事へ着手している。第一砂防堰堤は堤長234m、高さ7・5m、泥流捕捉量2万立方mの重力式。24年度の完成を目指している。
浅間山直轄火山砂防事業は、浅間山の噴火に伴い発生が予想される融雪型火山泥流や噴火後の土石流に対する被害の軽減のため12年度に開始したもの。全体事業費は391億円。事業全体の完了は31年度を見込んでいる。
なお、同事業は嬬恋村や長野県軽井沢町も整備を担当しており、嬬恋村が地蔵川砂防堰堤群など、軽井沢町は濁川砂防堰堤群、千ヶ滝西沢砂防堰堤群、大窪沢川砂防堰堤群、大日向砂防堰堤群で工事を進めている。