竜王町は、庁舎周辺に教育施設や交流拠点、生活利便店舗や新たな住宅地を集約する「竜王町コンパクトシティ化構想」について、中心核と位置付けている「交流・文教ゾーン整備」の概略スケジュールを取りまとめた。
それによると、年内を目途に造成工事を発注し早期完了を目指す。その後、27年度(令和9年度)内に▽竜王小学校区学童保育所の移転新築工事▽コミュニティセンター新築工事▽芝生公園―をそれぞれ完成させる方針。30年度(令和12年度)までに学校給食センター移転新築整備を終え、ゾーン整備の完結を目指していく考えだ。
同構想は、「子どもと暮らす喜びを実感できるまちづくり」を基本コンセプトに、「利便性が高く多様な交流を育む中心核」「地域コミュニティの維持・活性化」「中心核と地域コミュニティのネットワーク」の3つの柱を中心に、▽交流・文教▽複合▽居住▽商業▽行政―と、各ゾーンに区分し効率的かつ効果的に各種整備を図っていくもの。飲食店・カフェ・特産物販売・ホームセンター・民間医療施設・学習塾・金融機関・戸建て住宅・集合住宅―などの整備事業が今後展開されていく見通しだ。
また、若い世代の定住と高齢者が安心して暮らせる地域づくりを図り、持続可能な自治組織を形成していく観点から、住宅地の確保や利便性の向上だけでなく、働く場の創出なども視野に入れ活性化を目指す。加えて、中心核と地域を結ぶ道路ネットワーク整備や歩道新設、適正な道路・橋梁の維持管理を進め、町全体の活性化及び安全・安心なまちづくりの推進に努めていく方針だ。
なお、「交流・文教ゾーン整備」の最優先事業「竜王小学校移転新築整備」は、最初の具体化案件として推進しているところ。過年度に整備基本構想策定業務を、サンワコン滋賀支店(守山市)に、基本計画策定業務を、丸山建築事務所(大津市)にそれぞれ委託済み。工事発注については、早くても来年2月以降となる見通し。工期は24ヵ月程度(2ヵ年)を想定。昨今の資材高騰や材料不足が今後どのような解決・変化を見せるか流動的であることから、発注時期が変動する可能性もある。新小学校の移転地は、同町綾戸1021にある町立図書館北側の約3万平方b。ここに、既存小学校と同規模程度の小学校を建設する。スケールの大幅な変更は予定していないが、バリアフリー化や、防災・地域コミュニティースペースの設置が加えられる見通し。
竜王小学校は、71年(昭和46年)建設で、規模は校舎棟3棟(3階建及び平屋建)計延4611平方b、体育館は平屋建、1113平方b、運動場敷地2万1190平方b。
同校は建設から築40年を経過し老朽化が著しいことから整備のあり方検討を過年度に開始。将来的な費用対効果も考慮した結果、改修ではなく建て替えで事業を進めていくことを決定し町議会に報告。17年度(平成29年度)には「教育施設の今後のあり方検討庁内プロジェクトチーム」を立ち上げるとともに、保護者・校長・地域住民・学識経験者等11人で構成する竜王町教育施設の今後のあり方検討委員会を設置。「教育を取り巻く環境の変化が著しい時代が要請する教育施設として、今後求められる学校像を施設面からどう具現化することが大切か」等をテーマとして16ヵ月程度をかけて議論を重ねた結果、同小学校の今後のあり方として▽通学時の安全確保▽施設の環境向上・工事期間中の影響回避▽周辺の教育施設の連携強化▽駐車場の充実―の観点から、現地建替えではなく移転整備を選択。現竜王小学校跡地は、住宅地として整備していく考えをまとめた。
提供:滋賀産業新聞