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北陸工業新聞社
2023/10/20

【富山】富山市と魚津市が電子契約導入/印紙不要、業務の効率化も向上/県内市町村で初

 富山市と魚津市は、発注者と受注者の業務効率化や利便性向上等に向け、電子契約サービスを導入した。
 電子契約は、インターネット等の情報通信技術を活用し、電子署名やタイムスタンプを電子ファイル(PDF)に記録して締結する契約。両市ともに、「クラウドサイン」を利用する。
 県内では、今年6月に県が導入済み。土木部と農林水産部が発注する本庁契約のうち、建設工事で1億円以上、委託業務では2000万円以上の案件で採用している。2市はこれに続くもので、県内の市町村としては初めての導入となる。
 電子契約の導入メリットではまず、印紙税と郵送費の削減が挙げられる。印紙税法第2条により、書面の文書には課税されるが、電子契約で取り交わされる電子ファイルは課税対象ではないことから、印紙が不要。印紙税削減に加え、郵送費や契約書保管スペースも必要がなくなる。
 さらに、契約業務の電子化・ペーパレス化により、書面契約では必要だった印字・押印・封入・投函・郵送・保管作業が不要となるため、業務効率も向上する。
 また、締結した契約書を簡単に検索・閲覧・共有できるようになることで、契約の進捗管理、契約文書の管理、証憑管理に関するコンプライアンスが強化できる。
 対象となる契約は、富山市が財務部契約課と上下水道局契約出納課、病院事業局管理部契約出納課で契約書を交付する案件のうち、電子契約のお知らせが添付されているもの。一方、魚津市は、契約期間が10年を超える案件、法令等で書面との定めがある契約を除き、すべての契約手続き(契約書・覚書)が対象となる。
 なお、電子契約の導入にあたり、16日には、2市合同の事業者向け説明会がオンライン(Zoom)で開かれ、クラウドサインの概要と契約締結方法の解説が行われた。

高岡市、砺波市で導入/東日本保証の「電子保証」

 東日本建設業保証が提供している建設工事等における保証証書の電子化「電子保証」について、10月から高岡市と砺波市で導入がスタートした。
 今年4月、北陸4県の地方自治体では初めて、富山県と富山市が電子保証を導入。富山県内ではこれに続き、南砺市が5月、小矢部市が7月にそれぞれ採用を決めた。今回、新たに2市が運用開始したことにより、県内10市のうち、5市での導入が決定。着実に普及が進んでいる。
 電子保証は、同社がこれまで書面で提供していた「前払金保証」と「契約保証」、「中間前払金」の保証証書に関し、インターネットを通じて電子的に提供できるようにしたもの。保証手続きがインターネットで完結することで、書類保管の負担が軽減され、移動に要する時間が大幅に削減できることが主な特長だ。
 今回導入を決めた高岡市は、1日以後に契約締結する工事および委託業務、砺波市では1日以降に入札公告または指名通知する案件(11月2日以後の契約分)から運用を開始している。
 電子保証の申込、利用方法などの問い合わせは、同社富山支店(電話076−441−4356)まで。
 なお、県と富山市では、既に採用している電子保証に加え、電子契約が導入されたことにより、契約に係る手続きがすべてパソコンで完了。受注者側が契約のために発注機関を訪問するための移動がなくなった。両サービスの普及は、働き方改革等の推進が急務である建設業界にとってメリットが非常に大きいことから、今後の普及動向に注目が集まりそうだ。

hokuriku