建通新聞社
2023/10/16
【大阪】スーパーシティ構想の初会議を開く
大阪府・大阪市と国は、10月11日に「第1回大阪府・大阪市スーパーシティ型国家戦略特別区域会議」を開き、シャトルバスターミナルの仮設待合所の整備などを盛り込んだ区域計画案を示した。府・市や経済団体などで構成する「大阪スーパーシティ協議会」が2022年に策定した全体計画の一部が区域計画案に反映された形となる。今後、国家戦略諮問会議で審議された後、10月下旬にも国から区域計画案の認定を受ける。12月にはさらなる規制改革事項を決定する見通しだ。
会議には大阪府の吉村洋文知事や大阪市の横山英幸市長の他、自見英子地方創生相らが参加。区域整備計画案には、大阪駅前(大阪マルビル跡地)において、大阪・関西万博の会場と大阪駅を結ぶシャトルバスターミナルの仮設待合所の整備の他、府が情報を一元管理する大阪広域データ連携基盤(ORDEN)を活用した先端的サービスの実施、起業を目指す外国人の在留期間の延長を盛り込んだ。
大阪スーパーシティ構想のテーマは「データで広げる健康といのち」。夢洲とうめきた2期の二つのグリーンフィールドを中心に、「夢洲コンストラクション」「大阪・関西万博」「うめきた2期」の三つのプロジェクトを展開、大阪全体へ広げる計画。両フィールドで先端的サービスの実証や実装を進め、ORDENを活用しデータをひも付けることで、データ駆動型社会を実現させ、住民のQoLの向上と都市競争力の強化につなげる。
24年度までの「フェーズT」では、夢洲コンストラクションで建設作業員の安全・健康管理、自動運転車での貨客混載、ドローン・コンストラクションを推進する。さらに、25年度の「フェーズU」では、万博でスマートモビリティの推進、空飛ぶクルマの万博アクセス、26年度以降の「フェーズV」では、万博後のMaaS、日常での空飛ぶクルマの普及などに取り組む。
夢洲コンストラクションでは、建設工事現場内外の移動の円滑化、建設工事・資材運搬の円滑化、建設作業員の安全・健康管理の円滑化を図るため、▽BIM/CIMなどを活用した建設工事の効率化▽ドローンを活用した測量・工事管理▽ドローンによる資材などの運搬、作業現場域内の高所などへの資材配送▽遠隔型自動運転ロボットを用いた物資輸送▽位置情報とAIカメラによる車両管理▽建設資機材の位置情報とカメラ画像を活用した建設現場の安全管理―などに取り組む。