加賀市は、公共下水道事業で篠原中継ポンプ場建設工事について、土木・建築を年内に発注したい方向で準備を進めている。昨今の物価高騰を踏まえ、機械・電気の発注も含めて慎重に調整していく構えだ。
全体計画では、下水道事業の効率化に向け、潮津町地内の市浄化センターを大聖寺畑町地内の大聖寺浄化センターに統合する。これに伴い、片山津処理区で集められた汚水を加賀中継ポンプ場(小菅波町地内)へ流入するため、新たな中継ポンプ場の建設や管渠整備(総延長約5キロ、直径30センチ)を行う。
篠原町地内で計画する篠原中継ポンプ場は、分流式で処理能力が7・6立方メートル/分を想定し、2カ年で建設する。圧送管については今年度、篠原中継ポンプ場と作見町地内に埋設されている作見第1幹線までの区間で施工延長2800メートルにわたり、圧送管路φ300ミリDIP(GX)を整備する。同ポンプ場と圧送管の実施設計は日本水工設計が担当している。
当初予算に関連費6億9420万円を計上するとともに、篠原中継ポンプ場建設に関する債務負担行為(2024年度まで)として限度額15億6000万円を設定している。
県が管理する大聖寺川浄化センターは、来年4月に市へ移管される。一方、片山津処理区の市浄化センターは1975(昭和50)年の供用以来、約50年が経過。定期的に修繕しているが老朽化が著しく、更新や耐震化が必要となっている。
このような状況を踏まえ、市浄化センターを廃止するとともに、中継ポンプ場への接続管などを整備するほか、大聖寺川浄化センターでは機械電気設備の追加や汚泥処理消化施設の増設を行い、両浄化センターの統合を図っていくことにした。統合事業費は概算で51億円。25年度末の事業完了を目指す。