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秋田建設工業新聞社
2023/10/06

【秋田】6年度当初予算の編成方針/気候変動踏まえ、防災力を強化

 県は6日、県議会棟の正庁で予算編成会議を開催、6年度の当初予算編成方針や重点施策推進方針について意見交換を行った。「新秋田元気創造プラン」の3年目となる来年度は、プランに基づく取り組みとともに、県民の生命や財産を守るための「気候変動に対応した防災力の強化」と、人口減少問題の克服に向けた「未来の秋田を支える人への投資」に関する施策を、全庁をあげて重点的に推進する。

 防災力の強化では、今年7月の記録的な大雨により多数の住家や農地、公共土木施設、事業活動など様々な面で被害があったことから、気候変動による影響の拡大を踏まえ、抜本的な治水対策を早急に進めていく必要があるとしている。ハード面では、中長期視点を踏まえた河川の抜本的かつ迅速な治水対策、河川の流下能力を向上させる河道掘削や伐木の推進、内水氾濫を防ぐ対策の検討などをあげており、県土の強靭化を推進する。

 人口減少対策では、根源的な少子化対策として、婚姻機会の拡大につながるよう、女性や若者の県内定着・回帰の取り組みを強化。企業の人材投資・確保に向けては、キャリアアップに向けたリスキリングや、働きやすい職場環境づくりに取り組む企業への支援など、総合的な取り組みを推進する。

 プランの推進では、◇賃金水準の向上 ◇カーボンニュートラルへの挑戦 ◇デジタル化の推進―の3つを選択・集中プロジェクトとして、重点的に取り組んでいく。

 賃金水準の向上では、成長が見込まれる産業の振興や生産活動の効率化など、生産性の向上に向けた取り組みなどを行う。カーボンニュートラルへの挑戦では、地域・県有施設における脱炭素化、更なる沖合への洋上風力発電の導入などを促進する。デジタル化の推進では、電子申請サービスの充実を図るほか、企業や行政職員等の研修によるデジタル人材の確保・育成を行っていく。

 プランに基づく行政課題への対応や重点施策の推進を図るため、国庫補助制度や地方財政措置に即した財源を最大限活用し、全ての事業について実施の必要性や手段の妥当性の観点から不断の見直しを行う。新規・拡充事業の財源を一般財源で20億円程度確保し、人件費や公債費の増加に伴う収支不足は18億円程度、改善する。政策経費の目標額は38億円程度で、裁量的経費は原則マイナス15%の縮減を行う。公共事業については、抜本的な治水対策に対する経費を除き、実質負担額5%の削減としている。

 予算要求時の留意事項には◇今後の地方財政制度への対応 ◇子ども・子育て政策の強化への対応 ◇今後予想される国補正予算への対応 ◇投資効果の重視と長期的活用 ◇県有施設等の整備や修繕・更新に係る検討―をあげている。

 このうち、県有施設の整備では、人口減少や財政規模縮小、機能高度化の視点から、適正な規模・配置となるよう、廃止、減築、統廃合を積極的に検討。施設の新設や統廃合を行う際には、適正配置や市町村と連携した効果的・効率的な施設整備の可否、公民連携の可能性を十分に検討するとともに、補助制度の活用や、後年度の一般財源も含めた実質的な負担を考慮し、財政負担の平準化と中・長期的なコスト縮減に努める。改修経費については、実質負担額5%の削減を目標に調整を行う。


提供:秋田建設工業新聞社