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日刊建設タイムズ社
2023/10/06

【千葉】24年度設計プロポ想定/千葉療護センター新棟/ナスバ

 自動車事故対策機構(ナスバ)は、千葉療護センターにおいて、西棟の建て替えによる新棟の建設を計画している。2024年度早期に基本・実施設計業務委託の公募型プロポーザルを公告し、24年6〜7月頃に契約を締結する予定。24年度に基本設計、25年度に実施設計を取りまとめ、26年度から2か年または3か年で工事を行う想定。新棟は、RC造5階建て、延べ床面積7000u程度を検討している。
 千葉療護センターは、千葉市美浜区磯辺3―30―1の敷地面積8910uに所在。交通事故により脳に重大な後遺障害を負った人を専門に治療する病院として設立された。部門は、看護部、医療福祉相談室、医局、リハビリテーション科、栄養科、薬剤科、臨床検査科、放射線科、PET・MRI部門。病床数は80床(うち東棟30床)。
 西棟は、RC造2階建て、延べ床面積3323u、1984年3月の完成。建築からおよそ40年を経過し、経年劣化や塩害により老朽化が進行している。
 また、高潮対策や開設当初に想定されていなかったリハビリテーションなどのスペース確保について、改修などでは対応が困難であることから、リハビリテーションの充実など利用者等のニーズを踏まえながら西棟の建て替えなどを行うこととした。
 建て替えでは、西棟の一部を解体し、跡地に新棟を建設後、西棟の全てを解体する計画。リハビリテーション科や厨房などは東棟に残し、そのほかの部門は新棟に集約する予定。
 「千葉療護センターのあり方検討および再整備計画策定業務」は、2022年度にシップヘルスケアリサーチ&コンサルティングが手掛けた。
 また、老朽化への対応に当たり、1級建築士の岩堀幸司氏、緒方徹・東京大学医学部附属病院リハビリテーション部長、片山容一・雄心会青森新都市病院総長、桑山雄次・全国遷延性意識障害者・家族の会代表、小林繁樹・千葉療護センター長、出口まきゆ・国土交通省自動車局保障制度参事官室参事官、麦倉泰子・関東学院大学社会学部教授で構成する千葉療護センターの老朽化対策検討会を設置。
 22年7月以降、5回にわたって議論を重ね、5月には「千葉療護センターの老朽化対策に関する報告書」がまとめられた。
 検討会はAからCの3つの老朽化対策プランを検討した。いずれのプランも、西棟を建て替えるとともに、東棟については2階と3階の改修により病棟・リハビリ室など患者スペースとして利用し、空調などの設備更新や地下1階にある既存設備の地上化を行うことを前提とした。さらに、両棟を渡り廊下で接続する。
 建物構造に関しては、災害時においても即座に外部への脱出を必要としない耐火・耐震性能を確保。
 病床については、両棟の2階以上に設置することとし、大部屋、中部屋、個室を適切に配置。陰圧機能を備えた病室および、陰圧機能を備えた言語聴覚療法室をそれぞれ2室設置。また、患者と家族が長時間くつろげる面会室を設ける。
 3つのプランのうち、最適とされたAプランの特徴は▽短期・中期入院用の専用病床の設置▽部屋ごとの温度・湿度の個別管理▽災害時に通常時と同等の病院機能を3日以上維持できる電源の確保――など。
 
設計発注に係る基礎資料作成業務を公告
 
 9月27日に「千葉療護センターの設計発注に係る基礎資料作成業務」の一般競争入札を公告した。郵送の場合は17日、また持参の場合には18日に入札書の提出を締め切り、18日に開札に至る。委託期間は24年3月29日まで。
 業務においては、施工中の職員、患者、工事車両の動線やエネルギーインフラの安全性確保などについて検討し、千葉療護センターの経営・運営を継続しながらの建て替えの実現性を探る。k_times_comをフォローしましょう
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