北陸地方整備局富山河川国道事務所が2019年から進めてきた「神通川・富山市街地重点防御築堤事業」の竣工式が9月30日、富山市芝園町3丁目地先(富山大橋右岸下流河川敷)で開かれ、来賓や県・市議、地元関係者、施工者ら約60人が盛大に祝った。
神通川は県都・富山市を貫流する河川で、特に右岸側背後地は富山市街地や公共施設(県庁、市役所など)、主要交通網(新幹線、鉄道、国道、主要地方道など)を抱える重要な地域が広がる。堤防決壊による洪水氾濫が発生した場合、富山市街地が甚大な被害が発生することが予想されるが、堤防の高さや幅が不足する弱小堤区間だった。このため同事務所では、北陸新幹線神通川橋梁から熊野川との合流部までの約3700メートルにわたり堤防の嵩上げや拡幅、樋門の補強などを重点的に実施。総事業費約42億円投じ完成を迎えた。
竣工式では、あいさつに立った堂故茂国土交通副大臣が「堤防の嵩上げや拡幅などを集中的に実施したことで、この重要な地域の治水安全度の向上が図られた。今後も強靭な国土づくりを強力に推し進めるべく、事前防災対策を加速的に進めるとともに、流域治水の取り組みを一層推進していく」と意欲を示した。来賓の新田八朗知事、田畑裕明衆院議員、野上浩太郎、柴田巧両参院議員が祝辞を述べ、佐藤保之富山河川国道事務所長が事業報告した。続いて神通川水系・常願寺川直轄河川改修期成同盟会会長の藤井裕久富山市長が「右岸側の洪水に対する安全度が格段に上がった。親しみやすい環境空間も整備され、より多くの方が憩う水辺空間が創出された」と謝辞を述べた。関係者によるテープカットも行われ、事業完成を祝った。