「国道8号彦根〜東近江バイパス計画・仮称」の環境影響評価準備書がこのほど公表となった。事業者となる近畿地方整備局では今後、評価書作成を目指して環境影響評価手続きを進めるとともに、滋賀県が取り組んでいる都市計画決定手続き完了を待って事業化・着工を目指す。
国道8号は、慢性的に渋滞が発生し、とりわけ彦根市街地、愛知川渡河部などでは速度低下が顕著であり、周辺事業所からの物流に深刻な遅延リスクを与えている。また渋滞を回避した車両が生活道路に流入し、事故発生の危険も高まっていることから、▽名神高速へのアクセス向上、▽国道8号渋滞の緩和、▽交通事故の減少、▽点在する観光地間の道路ネットワーク強化―以上を必要な機能として設定、バイパスを東海道新幹線の東側に沿って整備することとした。
ルートは彦根市佐和山町から多賀、甲良、豊郷、愛荘の4町と東近江市を通り、近江八幡市安土町までの延長約23・6q。標準幅員は約21b(片側3・5bの歩道×2車線+3・5bの車道×4車線)、設計速度は時速80q。
道路の構造は、平面構造(上り・下りとも約0・8q)、盛土構造(上り約13・6q、下り約13・4q)、切土構造(上り約0・3q、下り約0・5q)、橋梁・高架構造(上り・下りとも約2・8q)、トンネル構造(上り・下りとも約5・9q)、その他構造(上り・下りとも約0・2q)。
主な工事で想定される工種は▽土工の平面部・盛土部で準備工、擁壁工、道路土工(盛土工)、法面工、舗装工。▽土工の切土部で準備工、掘削工、法面工、舗装工。▽橋梁部・高架部で準備工、基礎杭工、掘削工、土留工、橋台・橋脚工、橋桁架設工、床版工、舗装工。トンネル部で準備工、掘削工、支保工、覆工、舗装工、トンネル設備工。
施工にあたっては、工事施工ヤード及び工事用道路は極力、対象工事の区域内を利用。
全体の工事は、着工から概ね16年を予定している。
提供:滋賀産業新聞