建通新聞社
2023/10/02
【大阪】尼子山トンネル通行再開 少なくとも3カ月
NEXCO西日本は、山陽自動車道尼子山トンネル火災事故の第2回技術検討会(委員長・砂金伸治東京都立大学教授)を開き、これまでの調査結果を踏まえた復旧方針などを審議した。検討会終了後、姫路高速道路事務所の吉田英樹所長は、通行再開までの期間について、「少なくとも3カ月程度の時間がかかる」との見通しを示した。
検討委員会の砂金委員長は、復旧工事の工期について、損傷の調査が継続中であることから、「切削にかかる時間に変動要因が極めて大きい」としつつ、「設備と覆工にそれぞれ1カ月、切削に1カ月程度を要する」と説明した。
また、トンネルの損傷状況について、「強度への影響が深い部分と浅い箇所が同じ断面や区間に存在しており、切削と存置の判断が難しい」と述べた。復旧工事では、損傷の度合いにより、新しいコンクリートを打設する内巻補強工と断面修復やシートによる内面補強工などを使い分ける。
尼子山トンネル(下り線)は延長592b、覆工厚は55〜70a。東坑口(大阪方面)から約400bの範囲が火害により損傷した。覆工の損傷は最大で20a程度、アスファルトの被害状況は調査中だ。
砂金教授は技術検討会のあいさつで、「一日も早い復旧を目指し、構造的に十分安心できるものを提供できるよう議論したい」と述べた。