建通新聞社
2023/09/28
【大阪】大阪・関西万博 建設費 丁寧に説明
9月26日に開かれた大阪府議会本会議代表質問の答弁で吉村洋文知事は、上振れが指摘されている大阪・関西万博の会場建設費について、「費用は現在精査中」とした上で、「結果が出たら丁寧に説明する」と述べた。徳村さとる議員(大阪市鶴見区、大阪維新の会)の質問に答えた。
会場建設費については、現在見込まれている1850億円から450億円程度上振れするとの見方がある他、西村康稔経済産業相も9月15日の記者会見で、「必要があれば、国、自治体、経済界で対応を協議する」との考えを示している。
見解を尋ねられた吉村知事は、「前回増額時に府議会や大阪市会からいただいた意見は十分認識している」と述べるとともに、博覧会協会に対して「工事の適切な進捗管理など会場建設費の抑制を求めてきた」と説明した。
その上で、資材価格や労務単価の高騰の中で「増額の見通し」との報道があることを受け、「国や博覧会協会に対し、検討状況の確認や適切な情報共有の申し入れを行った」と答弁。さらに、「会場建設費については現在も必要な額を精査中との回答だった。精査結果が示されれば内容をしっかりと確認し、府民や市民に丁寧に説明する」と述べた。
〜万博を契機に舟運の活性化を〜
その他、万博やその先を見据えた舟運の活性化策について尋ねられた吉村知事は、「万博には国内外から約2800万人の来場が見込まれ、水都大阪の魅力を国内外に発信する絶好の機会。舟運の活性化は重要だ」と強調。現在、万博に向けて「万博会場と中之島や道頓堀などの大阪市中心部の観光拠点を一体となって楽しめるよう、中之島GATEに海船と川船の乗り換えターミナルの整備を進めている」と答弁した。また、大阪市と共同して水辺の観光スポットとなるウォーターショーなど、水と光を生かした魅力的な景観を創出するための実証実験を本年度に実施したい考えを示した。
また、「将来的には大阪市内から堺旧港を含むベイエリアや兵庫県、瀬戸内、京都方面へと至る広域周遊が実現できるよう関係機関と連携し、舟運の活性化を図る」と意気込みを語った。