市原市は22日、辰巳台東1丁目にある市有地約5414uの有効活用に向けたサウンディング型市場調査の実施要領を公表した。市の生活拠点として位置付けられている辰巳台地区の中心部に位置する市有地の有効活用に向け、民間事業者のノウハウやさまざまなアイデアの提案を受け、参入意向や条件などを確認する。土地の貸し付けによる活用を図ることになれば、2024年夏頃に活用方針を決定した後、賃貸借契約の締結に向けて事業者募集を開始する。
市有地は、辰巳台東1―13の一部に所在。千葉銀行辰巳台支店に隣接し、東側の辰巳台市民広場を除き、さら地となっている。近隣商業地域、第二種高度地区、準防火地域に位置し、建蔽率80%、容積率200%。辰巳台中央地区地区計画が定められている。
南側に市道24号線(辰巳通り)、北側の一部に市道3309号線が接している。
京成電鉄千原線の延伸計画を見据えて駅前広場用地として確保した土地で、千原線の工事施行認可の申請期限については29年10月まで延長されている。
しかし、計画の実現時期が見通せず、相当期間の利用が見込めない状況となっていることから、調査を経て活用方針を定める。
調査では▽対象地の市場性=立地に対する分析・評価▽活用アイデアと事業手法=敷地の活用範囲、想定期間など▽事業運営の関わりの程度=企画・仲介、直営など▽その他の意見や提案=事業に当たっての要望、課題など――を聞く。
参加者は、立地適正化計画において、辰巳台地区のまちづくりの方向性が「居住と日常生活が一体となった住み続けられる拠点づくり」とされていることを踏まえ、貸し付けによる土地活用を前提に提案を行う。
また、辰巳台地区まちづくり協議会の花植えなどの活動や、多目的広場・交通結節点といった提案などを参考に、地域と連携した活用アイデアに期待している。
貸付期間については、建物または工作物の所有を目的とする場合に30年、それ以外の場合には20年を上限とし、期間満了後に更新の申し入れがあった場合には延伸計画の状況などにより可否を決定する方針。
貸付料は、土地の時価に100分の3を乗じて得た額。
参加対象は、活用事業の実施主体となる意向を有する事業者または事業者のグループ。
今後は、10月12日に現地説明会を行った後、12月28日まで対話への参加を受け付ける。10月23日から24年2月9日まで対話を実施し、3月下旬に対話結果を公表する。
辰巳台地区は、大規模開発で整備された住宅団地で、世帯数5074世帯、人口1万965人(4月1日現在)。
地区内の主な施設は、辰巳台支所、辰巳公民館、辰巳保育所、辰巳台認定こども園、辰巳台東小学校、辰巳台西小学校、白幡小学校、辰巳台中学校、辰巳中央公園。また、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンターなどの商業施設、病院やクリニックなどの医療施設、金融機関、郵便局などが位置している。