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建設新聞社
2023/09/26

【東北・山形】安井・鈴木建築設計JVを特定/上山高等養護と盲学校の改築設計

 山形県教育庁は、上山市内にある県立上山高等養護学校と山形盲学校の改築に係る基本・実施設計委託者選定へ公募型プロポーザルを行った結果、最優秀者に安井建築設計事務所・鈴木建築設計事務所JVを特定した。次点の優秀者は本間利雄設計事務所。プロポーザルの参加表明者は7者だった。
 最優秀者の提案内容は、▽各評価テーマに対し多彩な取り組みや仕掛けが施され、積極的な取り組み姿勢が見られた点▽内容がよく整理され、分かりやすさが際立ったものとなっている点▽コストを抑えた構造計画の検討や、設計、施工、維持管理にわたるBIMの活用提案などコスト縮減に配慮した提案が充実している点―などが高く評価された。最終評価点は200点満点中、159・2点だった。
 山形県上山市宮脇600地内の上山高等養護学校と同市金谷金ケ瀬1111地内の山形盲学校の両校は、校舎および体育館、寄宿舎などの施設が、いずれも建設から約50年を経て老朽化が進んでいる状況にある。これに加えて、山形盲学校は敷地から約50b離れているところに活断層が確認されている。
 こうしたことから上山高等養護学校の敷地2万4024平方b内に、普通教室や特別教室を配置する両校の校舎をそれぞれ改築するほか、居室や食堂などを有する寄宿舎、体育館やプールなどの体育施設、臨床実習室や実技実習室などを配置する共有施設も整備する計画だ。
 各施設の延べ面積は、上山高等養護学校の校舎が4271平方b、山形盲学校の校舎は2898平方b、寄宿舎は2772平方b、体育施設は1625平方b、共有施設は325平方bで、総面積は1万1891平方bを試算している。構造および階数は設計の中で詰めていく。
 整備の基本方針は、▽安心して学べる学校施設整備▽敷地の条件や周辺環境および気候に配慮した敷地内配置計画▽カーボンニュートラルの実現と将来にわたる建物維持管理費用等のコスト縮減に配慮した施設整備の―3項目。また、両校の校舎は独立した空間構成とすることを条件とする。
 履行期限は基本設計が2024年6月30日、実施設計は同年12月27日まで。25年度から29年度の期間で工事を推進する。
 各施設の供用開始時期は、校舎が26年度以降、共用施設は28年度以降、体育館は29年度以降を想定しているが、限られた敷地面積での工事になるため、設計内容を踏まえた上で着工する順番を決めていく予定。29年度と30年度は外構・グラウンド工事に着手する予定だ。

 提供:建設新聞社