日本工業経済新聞社(群馬)
2023/09/26
【群馬】大谷池の耐震補強工事 10月中旬一般競争
県西部農業事務所農村整備課は、大谷牛秣地区農村地域防災減災事業(ため池群整備工事)を活用して行う大谷池(三名湖)の耐震補強工事について、10月中旬の条件付き一般競争入札公告へ準備を進めている。工種は土木一式で発注する。大谷池の耐震補強工事は1〜3工事の3分割で実施。今回発注する3工事で大谷池の耐震補強工事は完了する予定。2024年度は牛秣貯水池(鮎川湖)上流側の耐震補強工事を計画している。
藤岡市三本木地内の大谷池は堤長218m、堤高19・7m、総貯水量142万6000t。1933年に築造された。耐震補強工事の1工事は堤体の下流側で実施。2工事は堤体上流側の下部を対象に施工中。工事は2024年3月中の完了を目指し、田畑建設(藤岡市)が施工しているところ。
今回発注する3工事については実施中の2工事の上部を対象に実施する。工事内容は、1工事で発生した切土を使用する約1万7000立方mの堤体補強盛土工や約2000uの堤体法面保護工を計画しており、堤体補強盛土工と堤体法面保護工は一括で発注。今年度は、当初予算で補償費や測量設計委託料、工事費を含んだ事業費約2億2000万円を確保している。なお、耐震補強設計はNTCコンサルタンツ(愛知県名古屋市)がまとめた。
藤岡市金井地内にある牛秣貯水池は堤長253・5m、堤高27・8m、総貯水量90万t。1955年に築造された。
牛秣貯水池下流側の耐震補強工事は完了しており、2024年度からは上流側で耐震補強工事を順次実施する計画としている。上流側で行う耐震補強工事では約3万1000立方mの堤体補強盛土工や約1万1000uの堤体法面保護工を行う。耐震補強設計はNTCコンサルタンツが手掛けている。
現在、耐震補強工事に向け貯水池内部に整備する工事用道路検討のために行う測量業務をプロファ設計(伊勢崎市)、工事用道路計画策定業務についてはNTCコンサルタンツが進めている。
大谷池、牛秣貯水池共に維持管理は、藤岡土地改良区が行っている。2池の浸水被害想定区域内には、農地だけでなく学校や病院、国道などの重要施設がある。また、市街地も広がっており、災害から重要施設などを守ることを目的に工事を実施する。