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鹿児島建設新聞
2023/09/26

【鹿児島】志布志湾海岸保全対策協が発足/押切・柏原 海岸侵食対策を/土砂を総合管理

 志布志湾海岸保全対策検討協議会が発足した。25日、東串良町役場で第1回会合が行われ、複合的要因で起きる事象について対策の検討を開始。特に、押切海岸と柏原海岸の侵食、肝属川河口付近と菱田川河口部の土砂堆積の対策を地元4市町が要望した。解決手法として、パイプラインで土砂を吐き出すシステム等により解決した福田漁港(静岡県)の先進事例等から土砂の総合管理に向けた検討を進める。

 同湾沿岸では侵食や堆積が著しい箇所が点在。課題に対し海岸一帯を俯瞰した総合的に検討を行うため、志布志市、大崎町、東串良町、肝付町、学識経験者、海岸管理者等で構成する協議会を設置して事業等の情報共有を図り、効率的・効果的な対策を検討する。
 要望事項の内容をみると、押切海岸は度重なる台風襲来で一段と侵食が進み、海岸線が防風林直前まで迫っている。
 肝属川河口付近の土砂堆積は流下能力不足を原因とした内水被害の拡大が懸念され、波見港周辺の浚渫と併せた対策を求めた。
 押切海岸は人工リーフ設置等を行ったが、近年の災害で矢板護岸がむき出しとなるなどの被害が発生したため抜本的な対応を要望。菱田川河口部でも堆積がある。
 先進事例として、静岡県の福田漁港の浅羽地区で防波堤付近に堆積した土砂をパイプラインで侵食地区に年間約8万m3吐き出すシステムや宮崎海岸直轄海岸保全施設整備の養浜を紹介。
 今後、国や県が持っている汀線や河川の測量データを統合して次回に基礎データとし提示し議論を深める。
 県河川課の福永和久課長は「国土強靭化の取り組みで、河道掘削や寄洲除去が積極的に行われている。一部の地区(養浜等)で試行的な取り組みを行い、モニタリングをしながら合意形成を図り検討を進めていきたい」と話した。
 また、委員長の鹿児島大学水産学部の西隆一郎学部長は「志布志湾では河川、港湾、農林水産業の観点から総合的な視点に立った整合性のある海岸保全が求められる」と意気込みを述べた。


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