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建通新聞社(神奈川)
2023/09/25

【神奈川】県 谷ケ原浄水場再整備24年度から検討開始

 神奈川県企業庁は、谷ケ原浄水場の施設再整備に向けた具体的な検討を、2024年度から開始する考えを示した。神奈川県議会第3回定例会の一般質問(9月20日)で、日浦和明議員(日本維新の会、川崎市高津区)の浄水場の火山対策についての質問に企業庁の高澤幸夫企業庁長が答えた。
 県は御嶽山の噴火を契機に、寒川・谷ケ原浄水場への富士山・箱根山火山噴火の影響を15年度に調査。その結果、噴火後約2週間で最大約20aの火山灰が堆積し、河川の水質悪化やろ過池など屋外施設への火山灰混入による浄水処理の停止といった影響を受けることが明らかになった。
 噴火時には、河川の水質悪化などに対応するため、中和剤や凝集剤などの薬品を大量かつ継続的に投入する必要がある。寒川浄水場では既存設備での薬品の貯蔵や投入能力で対応が可能だが、谷ケ原浄水場の既存能力には限界があると判断。現在は凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)の注入施設設備を整備しており、26年末の完成を目指している。
 両浄水場とも、降灰時には緊急的にろ過池の上部に大型シートをかぶせることで対応することとし、シートの配備を進めている。 
 谷ケ原浄水場では、24年度から施設再整備に向けた具体的な検討を開始し、セキュリティの向上や火山対策を図るため、ろ過池などの上部を覆う構造にすることや屋内化などを検討する。浄水場での火山対策を、現在策定中の水道事業経営計画にも位置付けるとした。
 寒川浄水場は今後廃止を予定していることから、新たな改修は行わない方針だ。

提供:建通新聞社