建通新聞社
2023/09/25
【大阪】大阪府・市 IR区域の液状化対策の検討結果公表
大阪府・大阪市IR推進局は、カジノを含む統合型リゾート(大阪IR)区域における液状化対策の検討結果を公表した。液状化対策費用は当初想定していた410億円から255億円に縮小する見込みとなった。工事着手は早ければ2023年秋ごろとしているが、実施協定が認可され、事業者と協定を締結した後の工事着手となるため、具体的な時期は未定。IR推進局は現在国に申請している実施協定案を、「速やかに認可してほしい」としている。
対策面積はIR区域内に建設する建物の直下で、合計約21f。改良層厚は約3〜5bで、セメント系固化工法を採用。施工方法は原則深層混合処理工法による格子状改良とし、MICE施設の直下は、中層混合処理工法による全面改良で施工する。
駐車場や緑地などの外構部については、表層部分に地下水位より上の非液状化層が5b以上確保されるなど、液状化が発生した場合でも大規模な噴砂が生じることなく被害が局所的で小規模と見込まれるため、復旧による対応とする。
施工は日本MGMリゾーツとオリックスが中核株主となる「大阪IR株式会社」が担当する。同社には少数株主として、大林組や大成建設、竹中工務店などが参画している。
対策費用については市が23年度当初予算で債務負担行為を設定。限度額788億円(24〜33年度)のうち、液状化対策費用に410億円を想定していた。工事費縮小の要因として、対策範囲が当初の想定よりも小規模で済むことを挙げている。
大阪IRの総延べ床面積は約77万平方bで、IR用地の敷地面積は約49万2000平方b。9月5日に公表された実施協定では、開業予定を29年秋〜冬ごろから、30年秋〜冬ごろに延期する他、建設資材の高騰などを踏まえ初期投資額を約1兆0800億円から約1兆2700億円に増額することなどが盛り込まれている。